日本眼科学会:感染性角膜炎診療ガイドライン
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感染性角膜炎診療ガイドライン

巻頭言

 感染性角膜炎は治療を誤れば重篤な視力障害につながる疾患であり、眼科診療において常に重要な位置を占めてきたが、その様相は刻々と変化している。例えば、1940年代には我が国の感染性角膜炎の原因菌の大半が肺炎球菌であったが、局所的にはマクロライド系、クロラムフェニコール系、全身的にはペニシリン系の抗菌薬が使用できるようになり鎮静化された。1960年代には、これらの薬剤に抵抗性を示す緑膿菌が、細菌性角膜炎の原因菌として急浮上したが、これも、アミノグリコシド系抗菌点眼薬の開発などにより減少した。1980年代以降からはニューキノロン系抗菌点眼薬の時代となり、グラム陰性桿菌よりも黄色ブドウ球菌やレンサ球菌などのグラム陽性球菌の検出頻度が高くなっている。
 また、抗菌薬や副腎皮質ステロイド点眼薬の濫用に伴い増加しつつある多剤耐性菌や真菌、アカントアメーバなどによる難治性の感染性角膜炎への対応は今後の大きな課題である。なお、角膜ヘルペスについては、1980年代以降、アシクロビル眼軟膏が広く使用され、IDU点眼が使用されていた時代のような重症例は減少したものの、非定型的な例がかえって増加し、診断に迷うことも少なくない。
 診断法については、塗抹検鏡や培養などの古くからの手法に加えて、polymerase chain reaction(PCR)などの新しい手法も導入されつつあるが、古くからの方法が広く行われていない反面で、新しい手法の評価もまだ十分とはいえないのが現状である。
 一般に感染性疾患の発症には、宿主の条件だけでなく、医療環境、微生物の三者が密接に関連しており、宿主の条件だけで決まる遺伝性疾患などよりも、病態は格段に複雑である。これは感染性角膜炎においても同じであり、例えば、近年では、コンタクトレンズ使用者の増加が感染性角膜炎患者の若年化を来すとともに、細菌の薬剤耐性化が治療困難例の増加をもたらしている。
 このように、さまざまな条件下に生じる多様な微生物感染に対応していく必要上、感染性角膜炎の診療はどうしてもcase by caseの対応ということになりがちである。しかしながら、それだけに、基本的な診断・治療の方針を定めたガイドラインの策定が待たれていたのも事実であり、今回ようやく、日本の感染性角膜炎の専門家が結集して、現在のスタンダードと考えられる診断・治療指針をまとめることができた。もちろん、本ガイドラインに書かれてあることがすべてではなく、これ以外の方法を否定するものでもない。本ガイドラインはあくまで感染性角膜炎診療のベースラインであると考えていただき、これに各ドクターの臨床経験を加味して実際の診療に役立てていただければ幸いである。
 本ガイドラインは、臨床実地になるべく即することを目指したため、最初の診断の項目を病原体別には分けず、臨床所見から入るような形式をとっている。何故なら、実際の臨床の現場では、患者の来院時にそれが何の感染であるか、あるいはそもそも感染かどうかも分かっていないはずだからである。また、検査についても、一般眼科医で施行できる範囲は限られているため、最も基本となる塗抹検鏡以外は、ポイントのみを挙げるにとどめ、詳しい方法についてはAppendixとして巻末にまとめた。
 本来ならば、感染性角膜炎の診断・治療のすべての面にわたってevidence-basedに書かれたガイドラインが作成されることが望ましいが、現状では経験則によらざるを得ない部分もかなり残されている。この点については、今後関連学会とも連携して国内規模でのevidenceの蓄積を行っていきたいと考えている。また、感染性角膜炎の様相が今後とも変化していくことを踏まえて、本ガイドラインについても定期的に改訂を行い、さらにブラッシュアップしていく必要があろう。本ガイドラインについての忌憚のないご意見を、日本眼感染症学会ホームページ(http://www.jois-jaoi.jp/kansen/)までお寄せいただければ幸いである。

2007年6月

日本眼感染症学会
理事長 井上 幸次

日本眼感染症学会 感染性角膜炎診療ガイドライン作成委員会
委員長:井上 幸次
副委員長:大橋 裕一
委員(五十音順):浅利 誠志、石橋 康久、宇野 敏彦、木下  茂、塩田  洋、下村 嘉一、田川 義継、秦野  寛、松本 光希

執筆者(五十音順)
 浅利 誠志、石橋 康久、井上 幸次、宇野 敏彦、大橋 裕一、岡本 茂樹、亀井 裕子、北川 和子、下村 嘉一、外園 千恵、高村 悦子、田川 義継、内藤  毅、中川  尚、秦野  寛、檜垣 史郎、福田 昌彦、松本 光希、宮崎  大

医療は本来医師の裁量に基づいて行われるものであり、医師は個々の症例に最も適した診断と治療を行うべきである。日本眼感染症学会は、本ガイドラインを用いて行われた医療行為により生じた法律上のいかなる問題に対して、その責任義務を負うものではない。

感染性角膜炎診療ガイドライン

掲載されている病原体名一覧(64KB)
感染性角膜炎の診断・治療のフローチャート(156KB)
第1章 感染性角膜炎の診断(1,733KB)
第2章 感染性角膜炎の病態・病型(721KB)
第3章 感染性角膜炎の治療(563KB)
Appendix(714KB)
文献(424KB)

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