日本眼科学会:眼科ライブ手術ガイドラインについて
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ガイドライン・答申

眼科ライブ手術ガイドラインについて

 2007年8月に日本心臓血管外科学会、同胸部外科学会、ならびに同血管外科学会は、手術の様子を外部に生中継し、視聴する医師の教育・研修に供する「ライブ手術」のガイドラインを公表した。手術は眼科治療学の最も大きな柱の一つであり、手術教育は次世代を担う眼科医養成のためには欠くことができないものである。手術教育を主たる目的として今までも眼科領域の学会では「ライブ手術」がいくつか行われてきており、上記三学会による「ライブ手術」ガイドラインの公表に従って、日本眼科学会においても「ライブ手術」のガイドライン作成を急ぐべきとの決定が2007年8月の常務理事会でなされた。今回の眼科ライブ手術ガイドラインの答申は、その常務理事会の要望に沿っての各委員の大変な努力の産物であり、まずこの場を借りて各委員に心より感謝の念を表したい。
 手術というものは、術者である医師のためにあるものではなく、手術を受ける患者のためにあるものであることは言うまでもない。この厳然たる事実はライブ手術にも当然当てはまる。ライブ手術の施行に当たっては、それは患者のための医療の一環として行われていること、および将来的に眼科手術でもってより多くの患者の眼により安全で高度な治療を提供するための眼科手術者の教育が目的であることをライブ手術に関係する参加者のすべてが肝に銘じなければならない。
 日本眼科学会会員がこのガイドラインを踏まえ、かつ遵守しつつ眼科ライブ手術に対処することを切望するものである。

平成20年4月

財団法人 日本眼科学会
理事長 新家  眞


財団法人 日本眼科学会
理事長 新家  眞 殿

財団法人 日本眼科学会
眼科ライブ手術ガイドライン作成委員会
委員長 山下 英俊
委員 井上 幸次、江口秀一郎、大路 正人
   黒坂大次郎、澤口 昭一、平形 明人
外部委員 光石 忠敬(光石法律特許事務所)

眼科ライブ手術ガイドラインについて
答申

 医療は患者と医療スタッフの対等な関係を基盤とする共同作業として成立し、患者にとって現時点での最良の医療を提供することが求められている。しかし、医療の中心となりリーダーシップをとる医師の教育、さらに新しい診断、治療法を開発するための研究には患者の理解と協力を得て医療の提供と同時並行で行う必要がある。眼科治療学の大きな柱である眼科手術もこの範疇に入り、次の世代の眼科治療を担う多くの若い眼科医師を教育し、その医師の活躍により高度な眼科医療が途切れることなく社会の要望に最大限応えるシステムの構築が必要とされている。また、進歩し続ける眼科手術を多くの眼科医で共有するためにも眼科手術教育、研究は不可欠である。眼科手術の教育、研究のいくつもある方法の中で近年の手術機器、IT通信技術を駆使してライブ手術を行うことが技術的に可能になってきた。しかし、眼科手術教育、研究のためとはいえ、眼科ライブ手術は、診療の現場で行われることになるので、患者に大きな医療の恩恵をもたらすと同時に手術治療に伴うリスクも包含するものである。現時点で最良の医療の提供を受ける患者の権利および利益を守り、ひいては、今後の眼科の手術治療を受ける多くの患者の権利および利益を図り、日本における高度な眼科医療の発展に寄与するためには、日本眼科学会が眼科ライブ手術による教育・研究の基準を提示することにより科学的、倫理的、社会的な責任を果たすことが必要であると考えられる。本ガイドラインはこの目的を達成するために日本眼科学会理事長からの諮問を受けて、下記のコンセプトのもとに作成したものである。眼科ライブ手術という方法を用いて眼科手術の教育・研究の目的を達成することを考え、企画する眼科医療関係者(医師、看護師、視能訓練士など)に供されるものである。

 「眼科ライブ手術ガイドライン」は眼科手術の教育・研究のためにリアルタイムの手術映像を共有する企画に基づき実施される手術を眼科ライブ手術として定義し、以下のコンセプトのもとに作成した。

  1. 眼科ライブ手術は、眼科手術の発展、高度な手術を行うことができる術者の育成という目的が、ライブ手術以外の方法では達成できないとき、当該患者の安全が極めて高い確率で確保できると認定されるときに企画されることが強く勧められること。
  2. 本ガイドラインは、財団法人日本眼科学会が多くの患者に安全で高度な医療を提供し、眼科手術をもって多くの患者の眼の健康を増進するために、眼科手術を行う術者を育成することを目的として眼科ライブ手術を行う際の基準を企画者に提案することで、眼科学発展に貢献する財団法人日本眼科学会の科学的、倫理的、社会的な責任を果たす。

ガイドライン

1.はじめに
 本ガイドラインは眼科ライブ手術を受ける患者(以下、当該患者)の権利および利益を守り、今後、眼科の手術治療を受ける多くの患者の権利および利益を図り、日本における高度な眼科医療の発展に寄与するための眼科ライブ手術の基準を提案するものである。本ガイドラインは眼科ライブ手術による育成を受ける眼科医療関係者(医師、看護師、視能訓練士など)に適応される。
 本ガイドラインにいう眼科ライブ手術とは、眼科手術の教育・研究のためにリアルタイムの手術映像を共有する企画に基づき実施される手術をいう。(補足参照)
 眼科ライブ手術は以下の2点を確保できる場合に限り企画することが強く勧められる。

  1. 眼科手術の発展、高度な手術を行うことができる術者の育成という目的が、ライブ手術以外の方法では達成できないこと。
  2. 当該患者の安全が極めて高い確率で確保できると認定されること。

2.眼科ライブ手術ガイドラインを提案する財団法人日本眼科学会の基本姿勢
 本ガイドラインは、財団法人日本眼科学会が多くの患者に安全で高度な医療を提供し、眼科手術をもって多くの患者の眼の健康を増進するために、眼科手術を行う術者を育成することを目的として眼科ライブ手術を行う際の基準を提案するものである。

3.眼科ライブ手術の企画の基準
1)眼科ライブ手術の目的
 眼科ライブ手術は、眼科手術発展のための研究、眼科手術を行う医師に対する高度な眼科手術の技量の習得をめざす教育、あるいは眼科手術の安全な運用に関与する医師・眼科医療関係者の育成を目的とする。
2)眼科ライブ手術を選択する理由の明確化
 前項の目的を達成するためには眼科ライブ手術を選択することが他の代替の方法ではできないことを、当該患者本人および社会に明確に説明できる場合に行う。
3)眼科ライブ手術を企画する主体者について
 眼科ライブ手術を企画する主体者(以下、企画主体者)は眼科専門医資格を持つことが強く望まれる。企画主体者は本ガイドラインの提案する基準を遵守することが強く望まれる。
4)眼科ライブ手術の企画への参加者とその役割
 企画主体者は眼科ライブ手術の企画に際して、当該患者の主治医(以下、主治医)、眼科ライブ手術を施行する術者(以下、術者)を慎重に選択する。
 企画主体者は主治医、術者と緊密に連絡を取りながら、眼科ライブ手術の企画、実行をその全面的な責任において行う。当該患者が眼科ライブ手術を受ける診療施設の倫理規定および本ガイドラインにそって行うことを明確にするため倫理審査機関(倫理委員会など)に申請し、審査を受け承認を得るものとする。眼科ライブ手術に起因するアクシデント(過誤を伴う医療事故)が起きた場合、企画主体者は主治医、術者とともに誠意をもって対処するものとする。
 主治医、術者は当該患者に対して、企画の趣旨と眼科ライブ手術の必要性、眼科ライブ手術の内容、安全性とリスクなどについて文書をもって説明する義務を負う。当該患者は上記の項目について説明を受け理解したうえで同意もしくは拒否し、または撤回する権利を有する。眼科ライブ手術に起因するアクシデント(過誤を伴う医療事故)が起きた場合、主治医、術者は企画主体者とともに誠意をもって対処するものとする。
5)当該患者の選定
 企画主体者は眼科ライブ手術の目的を達成するために主治医、術者の意見を十分に取り入れて、その全面的な責任において当該患者の選定の最終決定を行う。
6)術式の選択
 企画主体者は眼科ライブ手術の目的を達成するために主治医、術者の意見を十分に取り入れて、その全面的な責任において術式の選択の最終決定を行う。
7)眼科ライブ手術を行う施設の要件
 眼科ライブ手術を行う施設は次のすべてを満たすものとする。
 (1)日本眼科学会眼科専門医が設置または眼科診療科の責任者となっている施設
 (2)眼科ライブ手術についての倫理審査を行う機関のある施設
 (3)眼科ライブ手術を行う際に起こる可能性のあるアクシデントに対応するリスク管理および診療体制がとれる施設
8)眼科ライブ手術の術者の要件
 当該手術に対して十分な知識と経験を有している日本眼科学会眼科専門医が望ましい。
9)利益相反の開示
 企画主体者は、眼科ライブ手術の企画、実行に関与し、ないしは全部もしくは一部を出資した個人、企業ないしは法人を、当該患者および当該手術を視聴する医療関係者に手術前に明らかにする必要がある。
10)当該患者本人の同意
 企画主体者は主治医、術者と協力して、当該患者本人に対し、眼科ライブ手術の目的、視聴者の内容、企画実行の運営母体、企画主体者名、主治医名、術者名、施設名、手術の適応、術式の選択に至った経緯、当該患者本人への利益および予測される危険、拒否ないし撤回の権利、その他当該患者本人の権利を文書で説明したのちに、当該患者本人の理解を確認し、眼科ライブ手術を受けることについて文書で当該患者本人の同意を得ることが必要である。当該患者家族は、当該患者本人の同意を得た場合には、上記の説明を聞くことができる。

4.眼科ライブ手術の実行について
1)企画主体者は、主治医、術者と緊密な連絡をとって、安全で有効な眼科手術を術者が行うことができる環境を整えるようにし、最大限、誠意をもって手術が安全に実行できるようにする必要がある。
2)企画主体者は眼科ライブ手術についての視聴者間、視聴者と主治医もしくは術者との間の討論を運用する司会者をおくことができる。
3)手術の実行についての決定:通常の手術と同様に、術者は、当該患者の利益を一義的に考慮して、手術の中止、中断、術式の変更の決定権をもつ。
4)眼科ライブ手術の撤回・中断について:当該患者本人、当該患者家族(あらかじめ当該患者本人が指定した家族)はライブ手術の終了前でもライブ自体または視聴の撤回を決定できる。術者、主治医は独自の判断でライブ自体または視聴の中断を決定できる。企画主体者、司会者は独自の判断でライブ自体または視聴の中断を決定できる。撤回・中断を依頼または指示したことにより、依頼者または指示者は何ら損害を蒙らないことを企画主体者が保証する。
5)眼科ライブ手術の際に起こったアクシデントについて:企画主体者は眼科ライブ手術に際して起こったアクシデントについて、手術の行われた眼科診療施設の規則に従って、主治医、術者と緊密な連絡をとりつつ、当該患者本人に対して誠意をもって対応することが必要である。

補足
1)本ガイドラインには医学生教育を目的とするものは含まれない。
2)本ガイドラインは眼科ライブ手術を実施する施設の倫理審査機関への申請および承認に供するものとする。

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