
感覚器医学ロードマップ―感覚器障害の克服と支援を目指す10年間―
■感覚器医学研究連絡委員会報告書(要旨)
名称
感覚器医学ロードマップ:
感覚器障害の克服と支援を目指す10年間
内容
- 作成の背景
現代社会では、各種情報の重要性が日々に増大しており、視聴覚を中心とする情報交換にかかわる能力の低下が、その人個人に、又、その人を取り巻く社会に種々の不利益をもたらしている。視聴覚を中心とする感覚器障害を予防したり効率よく治療する事、また、障害を持った人を如何に社会に取り込み共生するか、これらは現代社会の最も重要な課題の一つであると認識されている。幸い、我が国の感覚機能障害に対する医学・bA世界をリードして来た。さらに、これからもこの分野で世界のリーダーであり続けるために、最近、とみに多様化、細分化している感覚器医学諱A関係者の協調を計ろうとするものである。
- 現状及び問題点
感覚器疾患の標準的医療がまだ十分に確立されたとは言い難く、ガイドラインに準拠した無駄のない治療が行われるような体制を作る必要がある。その臨床展開の基となる研究の緊急性、重要性に優先順位をつけ、専門内専門化した分野がお互いに協調できるようにする必要性がある。また、高齢者のQuality of Life(QOL)が、最近、重要視されて来たとは言え、まだ十分とは言い難い。この点に関し、公開講演会、出版などを通した啓発運動を活発化させる必要性がある。次に、我が国の視聴覚障害者に対するバリアフリー化が不十分であること等からも分かるように、感覚器障害者の社会適合を推し進めるための具体的提言が必要とされている。
- 改善策、提言等の内容
感覚器医学、医療に携わる者たちが、これから10年間に何をなすべきか、関連学会の動向を調整し、限りある研究費や医療費がこの分野で効率的に使われるよう、このロードマップは作成されたものである。お互い、10年という期間を区切って到達点を示し合うことにより、関連の研究者、医療者がお互いの姿が見える形で前進できることのメリットは極めて大きい。
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