日本眼科学会:白内障手術への理解を高めよう!(108巻2号)
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白内障手術への理解を高めよう!

 白内障の手術点数が4月の改定でどうなるのか、これは眼科医の間で今一番ホットな話題の一つだろう。眼科医の象徴ともいえるこの手技の評価は、眼科医の将来を占う意味でも極めて重要な意味を持つからである。現在、眼内レンズ代は眼内レンズ挿入術に含まれる形で請求されている。実際には、「複数手術に係る費用の特例」にのっとって、主たる手術(眼内レンズ挿入術8,350点)+従たる手術(超音波摘出術7,430点)の百分の五十の形で算定されるので、−総計は12,065点12万円をようやく超える程度である。前回の改訂で約18%の大幅ダウンを食らったショックも覚めやらぬ中、今回は技術料と医療材料の分離という大原則の下に再評価を受けることになってしまいそうだ。日本医師会の青柳副会長が白内障手術を例にあげつつ、このルールを改めて強調した点は記憶に新しいところである。

 眼科医の中にも考え方はいろいろあるようだ。しかし、周りの意見を聞く限りにおいては、「技術料と医療材料費とは基本的には分けて考えるべき」との考えが多数を占めているように思える。この理由として、もともと一連の手術であるものが何故か二つに分けられているために、トリプル手術の場合には眼内レンズ代すら捻り出しにくいという不条理への不満があげられる。しかしながら、もっと大きな問題は、マルチフォーカルなどの付加価値の高いものから、主流であるfoldable、そして昔ながらのPMMAまで、眼内レンズのバリエーションがあまりに多すぎる点にあろう。結果として、使用した眼内レンズの違いによって病院間の白内障手術の技術料に格差が生じてしまう。この不透明さは技術料そのものを適正に評価していく上では大きなマイナスである。

 さて、限られた保険点数の中で技術料と医療材料費をどのくらいに調整すべきなのか、これは眼科医にとっても、医療機器業界にとっても重大かつ微妙な問題である。いうまでもなく、技術料の低下は白内障手術の価値そのものを下落させ、延いては眼科医全体のパワーを大きく損なわせることになろう。その反面、眼内レンズ代に過分のしわ寄せが及べば、眼科関連業界の混乱は必至であり、眼科領域への投資意欲の冷え込みが我々を間接的に苦しめることになる。国の方針が医療費の抑制に向かう中、白内障手術には明らかに逆風が吹いている。「Fast Surgery」を強調し過ぎたツケがここらで回ってきたのかも知れない。まさに、途方に暮れざるを得ないのである。

 こうした保険点数の改定は2年ごとに行われている。眼科学会の場合は、外科系学会保険連合(外保連と略して呼ばれる)という組織を通じて新設、改訂などの申請を日本医師会へと提出している。また、行政の窓口である厚生労働省の医療課にも陳情に出向き、重点項目についての説明も行っている。むろん、眼科医会も独自のシステムによって会員からの要求を積み上げ、同じく日本医師会に申請を行っている。双方の立場の違いを反映してか、要求内容には大きな乖離があるが、このような二重構造の存在は眼科医全体にとってむしろ不利益なのではないかと内心危惧している。病院などでは新しい薬剤を採用する場合、「一増一減」の経済原則がある。ここは、約一兆円といわれている眼科関係の保険費用が時代に即した形で吟味し直され、診療レベルの向上に寄与する新しい手術、医療機器、検査手技の導入をサポートすることが、長期的な視点からは重要と思われる。また一方では、高齢化社会のquality of life(QOL)を守るために白内障手術が必要不可欠なものであることについて、行政サイドの十分な理解を得る地道な努力が必要であろう。

 今一つの有力な突破口は、一般大衆やマスコミへの積極的な情報開示とアピールであり、現理事会でもこれを最重要の課題と位置づけている。白内障手術が社会にいかに貢献しているかを訴えるとともに、専門医制度の意義を是非とも理解してもらう必要があるからだ。外部からの強力なサポートがあれば、専門医優遇措置を保険診療の中に組み込むことだって決して不可能ではないだろう。いずれにしても、医会側と学会側とが密接に連携し、眼科医が大きく貢献する白内障手術をいかに保険医療の中で守っていくかを真摯に検討すべき時期がきているのである。

 以上、社会保険担当理事としてのメッセージでした。社会保険についての協議申請システムの改革案についてはまた次回に提示させていただきます。どうかよろしくお願い致します。

財団法人日本眼科学会
常務理事 大橋 裕一

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