日本眼科学会:理事会から(109巻1号)
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理事会から

理事会から

 昨年から巻頭に「理事会から」の頁をいただき、理事会活動報告とともに各理事の考えを述べてまいりました。現常務理事会はまだまだ残された課題も多いとはいえ、種々、日眼内部の変革をしてきました。一方、当初から議論してきた課題に社会へのアピールと働きかけがあります。昨年10号の「理事会から」において吉村理事は日眼がもっとacademyとしての機能をもつべきであると提唱しています。また、12号においても澤理事が、他の学会、行政、社会に対する活動、働きかけを強めるべきであると強調しています。年頭に当たり、これらに関連する2、3の課題について触れたいと思います。

 現在の日本の眼科医療水準は欧米諸国のそれに比較して決して劣るものではなく、むしろ先端的手術技術に関しては多くの部分でリードをしています。欧米諸国に比して社会主義的保険医療が早くから広く普及、充実してきたことと相俟って、我が国の眼科医療の質はおおむね平均化しており、平均レベルの点でも欧米に勝るとも劣らぬものです。研究面においても多くの日本人研究者が国際的なハイレベルの成果をあげています。

 しかし、一方では旧態依然とした眼科医療が一部で行われている現状も否定はできません。眼科学に携わる医療従事者と研究者の数はこれまで順調に増加してきましたが、医師数については都市部において人口比で過剰になりつつあります。逆に地方、特に過疎地における医師不足は他の分野と同様です。卒後研修面においては米国のレジデント、フェローシステムのような平均、充実したものが完成されていませんし、研修施設、大学によって専門分野の偏る傾向も無視できません。

 専門性の高い眼科医療については、日眼が主体的になって全国的なレジデント、subspecialtyの研修システム構築を考えるべきでしょう。初期臨床研修制度は現時点では眼科研修にプラスに働くとは思えません。旧来の医局制度のすべてが悪いとは決して思いませんが、これが良い方向に変化すれば、施設間交流は容易になり平均的な質の高い研修システムの構築が可能となるでしょう。眼科学は全身疾患との関連もきわめて重要であり、初期研修が眼科学研修の土台となるよう、制度改善への提言を心がける必要があります。研修後の評価、その後の水準維持を目的とした日本眼科学会専門医制度はその質を高く評価されています。今後さらに制度充実を図り、専門医認定試験を通して水準を高位に保ちつつ専門医数を安定維持させなくてはなりません。眼科医療過疎地域への対応についても積極的提言を考えなくてはいけません。

 高齢者のquality of life(QOL)が重視される背景とともに、一般社会において感覚器医学の重要性に対する認識は高まりつつあるものの、まだ十分とはいい難い状況です。この点については耳鼻咽喉科学会とともに学術会議の感覚器研究連絡会議を通してアピールに努めています。マスメディア、インターネット、公開講演会、出版などを通した啓蒙活動をさらに活発化させることが必要です。

 日本では視覚障害者、低視力者(ロービジョン者)に対するバリアフリーは不十分です。視覚障害者といえば全盲を対象に考えられてきた配慮を、その対応を異にするロービジョンへの配慮まで充実させ、真に豊かな社会とすべく、他国にないバリアフリー社会を実現すべきです。バリアフリーの対象を娯楽施設やデパートなど視覚障害者の余暇にかかわる公共施設やサービスにまで広げ、生活用品一般において視覚障害者にとっても操作しやすい機能面を充実させた商品開発を社会と企業、行政に訴えることが必要でしょう。このことはむしろ社会的活動の最重要課題とし、visual rehabilitationに関する研究も奨励していくべきと思います。中途失明者の生活支援と雇用対策についても、眼科医こそが政策化を働きかけるべきです。

 眼科医は日々の臨床に留まることなく、真に豊かな社会を形成すべく共に歩むことを社会に働きかけるべきであり、このような責務を意識し、これに向けて発案、発信し、行動する者でありたい。このような視点から日眼の外へ向けての活動を広げていきたいと考えます。

財団法人日本眼科学会
理事長 樋田 哲夫

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