日本眼科学会:理事会から(109巻8号)
日本眼科学会 Japanese Ophthalmological Society
サイト内検索
検索方法
English HOME English English
会員専用コンテンツMY NICHIGANDEX
サポートセンター
HelpMY NICHIGANDEXとは?
MY NICHIGANDEXへログイン
お問い合わせ サイトマップ
メインナビゲーションを飛ばす
Home会員のみなさまへ理事会から > 理事会から(109巻8号)
会員のみなさまへ
コンテンツインデックスへ戻る
学術集会
専門医制度
生涯教育
ガイドライン・答申
各種手続
学会誌
理事会から
日本眼科社会保険会議
学術賞・助成金一覧
眼科関連学会

理事会から

理事会から

 平成16年度から理事会の頁が新設され、理事会活動報告とともに各理事の考え(思想?)が述べられています。日本眼科学会理事会の責務としては、日本眼科学会の対内的運営にあると同時に、外部に向かって国内他学会、行政、社会に対する活動、働きかけが重要ですが、今後は対外的働きかけとしての国際的なものの重要性がますます重要となってくると思われます。

 現在、日本という国は政治的には勿論のこと、経済的にもバブルエコノミー前の「Japan as Number 1」といったような過重な国際的評価は、十数年来全く影を潜め、政治的には戦略も主張も「No」もない国という評価が欧米のみならずアジア諸国からも確立しているようですし、経済的には、構造改革を成し遂げたと欧米には評価されている韓国の三星電子がソニーを抜いたとされることに象徴される如くの状態のようです。

 翻って、日本の眼科医全般に対する国際的評価を考えてみると、同様はなはだ心もとないものがあります。過去はどうかは詳しくは知りませんが、欧米には本気では重要視されず、新興アジア諸国は追いつき追い越せの対象として日本を無視しようとしているというのが醒めた現実のような気がします。これを世界の眼科界の中で、あるべき位置に戻すべく方策することは間違いなく日本眼科学会の重要な責務の一つでありましょう。ただし、正当な国際的評価を勝ち取るには声が大きいだけでは駄目で、それに対応する実績がなければ意味がありません。日眼会誌の今年3月号に大庭紀雄先生が書かれた総説「眼科学研究の計量書誌学的検討」は貴重なデータをまとめた優れた論文です。過去15年の眼科英文論文生産量をいろいろな角度より国別に検討したものですが、ここにまとめられた内容に日本眼科学会として考えるべき大きな問題があるように思えます。日本の英文論文産生総数、または所謂impact factor(IP)高めの雑誌に出た総論文数は、米、英に次いで第3位であり、総数だけはそんなものかというところです。ただし、結果的にこれは人口(眼科医数にほぼ比例するとして)が多い結果であり、眼科医一人当たりの統計により近いと考えられる。人口[またはGDP(国内総生産)]で補正した国別論文生産数では、日本は上位10位内にも入っていず、13〜17位に止まっています(大庭論文図3)。特にGDP補正英文論文生産数では、日本は17位と18位のインド、20位の中国に追い抜かれかねない状況です。ちなみに英文論文数がたとえ今の2倍となっても5位以内には入れません。折しもスーパーローテート制度の導入により、眼科は全体として臨床・研究面の人的リソースに大打撃を受けており、英文論文生産性を例えば2倍にすることは容易ではないと考えられます。しかし、publish or perish原則のclinical & basic scienceとして眼科学をとらえる場合、この傾向の打破は日本眼科学会の将来の大きな課題といえましょう。決して材料がない訳ではなく、恐らく米英ならば即論文化されるべき内容が、英文論文化されず死蔵されている場合が多いのではないかと考えられますので、差し当たっての対策はあると考えられます。

 その国の眼科の存在感を測る尺度として、その国の眼科を代表する英文学術誌のIPを採用することは、極めて安直ですが、意外と核心をつき説得力があるように思います。Am J Ophthalmol,Br J Ophthalmol,Can J Ophthalmolなどがどの国の学術誌であるかは一目瞭然ですし、Acta Ophthalmolが北欧諸国の、Graefes Arch Ciln Exp Ophthalmolがドイツ系のものであるということも論を待ちません。例えば、Jpn J Ophthalmol(JJO)の2倍のIPのあるGraefes Arch Clin Exp Ophthalmolや4倍のAm J Ophthalmolの平均的論文とJJOのそれを読み比べてJJOのそれは一目瞭然に軽いでしょうか?2倍、4倍のIP差を説明できるほど軽い論文ばかりとは、とても読んでみて、そうは思えません。JJOは現在日本眼科学会の正式の英文機関誌として、編集委員の多大な努力の結果刊行されているものであり、そのIPは過小評価されていると断言できます。ただし、やはり過小評価だったと国際的に認めさすにはIPを上げてみせるしかなく、いくら国内でIP偏重はおかしいという正論を戦わせても全く効力はないでしょう。日本眼科学会の運営の一環として、JJOのIPを上げやすい素地、例えばHPから簡単にリンク検索できるなどJJO編集部の御努力をより実りあるものにするための態勢を整えることは日本眼科学会理事会として皆で考えていくべきことだと思います。

 日本眼科学会は日々のhouse-keeping workに埋没することなく対国内的(眼科、他科、行政、その他)にも対国外的にも常に見識と誇りをもって活動をしていかなければなりません。「言うは易く、行うは難し」ですが、思いつくことを述べさせて頂きました。

財団法人日本眼科学会
常務理事 新家  眞

メインナビゲーションへ戻る
このページのトップへ
お問い合わせ利用規約プライバシーポリシーアクセシビリティ
Copyright © 公益財団法人日本眼科学会 All rights reserved.