日本眼科学会:理事会から(109巻10号)
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初期臨床研修と専門医制度

 初期臨床研修制度が始まり各大学の眼科教室では新人の入局がないという状況の中で、日常臨床に差し障る人手不足とこれに起因する関連病院からのやむなき撤退など、かなりの混乱が生じたことはご存知の通りです。しかし、多忙な日常に追われながらあっという間に2年が過ぎ、来年には新入局員を迎える(願わくば?)ことになります。眼科希望の研修医がどの程度いるのか現時点では各大学とも十分な把握はできずにいますが、非必修科として眼科を選択予定したのは平均2.5人との平成16年日眼眼科医数動向調査結果もあり、かなり少ないのではないかとの悲観的予想が趨勢のように思います。

 初期臨床研修がどの程度有効、有益に機能しているかの判断はまだ早いでしょう。しかし、筆者の大学では初期研修医はどちらかといえばお客さん扱いです。当大学に限らず多くの大学勤務医師が、研修内容はポリクリの延長のようなものにしかなり得ないと不満を述べています。一方、研修医へのアンケート結果をみると、経済的待遇面への不満や当直の翌日は休みにして欲しいなど過剰労働への不満が目立ちます。医師として3年目になっても眼科医としては新人なわけですし、助成はあり得ないために大学病院での給与は満足できるものにはなり得ないでしょう。3年目以降の研修先を、むしろ就職先として給与面から検討している研修医も多いようです。当分の間研修を受ける側、教育側双方の不満を抱えながら道を探ることになるでしょう。

 初期臨床研修には医師としてのプライマリケアの習得を期待しているとのことです。むしろ、専門化しすぎた大学病院はその研修には向いていないかもしれません。外の病院での研修後に、大学での研修を望む医師も多いと聞いています。希望する研修内容に応じて研修先を自ら選択することができるようになったのであれば良いことだと思います。眼科の立場からしてもプライマリケアの研修を受け、医師としての姿勢がある程度できていれば教育はしやすいし利点も多いでしょう。現在のプライマリケアは一専門分野というべき広さがあり、初期研修で習得させるという考え方は甘いという意見もあります。筆者はむしろこの意見に賛成ですが、とりあえず眼科にとっての初期研修の利点として捉えておきたいと思います。

 初期臨床研修制度の影響で眼科医数の減少を危惧する意見が盛んに述べられます。学生教育プログラムにも眼科学軽視の傾向が見え、眼科志向の減少に拍車をかけるのではないかと危惧されています。しかし、日眼の調査では他科と同様に地域較差があるものの、現時点で社会的ニーズに対して眼科医が著しく少ないとは思えません。むしろ、大都市では数的には飽和しているところも多いはずです。大学病院の入局者数は初期臨床研修導入以前からやや減少の傾向にはありましたが、むしろ問題は大学あるいは地方による著しい較差にあったようです。医師数そのものは増加傾向にあるのですから、初期臨床研修制度の影響で当面減少したとしても、眼科学そのものの魅力と社会のニーズに合わせ徐々に増加してくるものと推測します。あるいは数年後ある時期に急激に希望者の増加する可能性もないとはいえません。

 日眼はこのような眼科志向医の増加の波が表れる前に、現状をチャンスと捉えて眼科臨床教育のあり方を積極的に提言したいと考えます。おりしも日本専門医認定制機構は各科専門医制度をチェックし、受験資格と合格率、資格更新、重複専門医の3点を重点課題としてより厳しい制度への変革を要請してきています。この中で特に臨床実績の重視を要求しています。日眼理事会は本当の意味での眼科専門医を育成するために受験、更新の資格とともに認定施設についてもその条件を再考し、かつ定期的にチェックするシステムを再構築すべきとの観点から、木下専門医制度担当理事を委員長として特別委員会を立ち上げ、8月27日に第1回委員会を開催しました。ここで議論を重ね、今後さらに手術を含めた教育ガイドラインや研究意欲向上のためのプログラム作成、地域較差解消に向けた行政への独自の提言まで活動を広げていければと考えています。

財団法人日本眼科学会
常務理事 樋田 哲夫

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