日本眼科学会:理事会から(111巻3号)
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 日本眼科学会雑誌(日眼会誌)も第111巻に入った。日本眼科学会では10年ごとの活動の歩みをまとめており、編集担当理事として第101巻から110巻までを通覧する機会があった。詳細は日本眼科学会百十年史に記述するが、10年の変化を振り返り今後の編集を考えてみたい。

 10年間の最大の変化は、既に繰り返し指摘されてきた論文投稿数の長期減少傾向である。この傾向は既に20年前から発生していることが分かった。図に20年間の年間論文受付数および掲載数を示す。第92巻(昭和63年)の250篇を最高に論文受付数はほぼ一定の傾向で漸減し第109巻(平成17年)には63篇まで減少している。この受付数には総説なども含んでいるので一般投稿論文数はさらに少ないことになる。投稿論文数の減少は日眼会誌のみならず、すべての邦文眼科雑誌に共通の傾向であるようだ。平成元年から専門医制度認定試験が始まり筆頭著者としての論文掲載が受験資格に義務づけられ、眼科専門医志向者も増加していたことから論文数は増加するものと予測されていた。

 投稿減少にはいくつかの要因が考えられる。査読制度が充実し、受理基準の閾値が高くなり投稿に抑制がかかったことが一因に挙げられる。第86巻(昭和57年)までは日本眼科学会総会での発表内容は当日、原著として提出することが原則であり、査読なしに掲載されていた。第87巻から査読制度が確立し、その後会員の献身的な労力により成熟し、この10年の査読は公平で、よりよい論文への指導に重点が置かれるようになった。最近の受理率は90%前後であり、厳しすぎることだけが原因とは考えにくい。

 Japanese Journal of Ophthalmology(JJO)との著作権を分離したことも一因に考えられる。JJOは平成9年、東京大学眼科学教室から日本眼科学会に移管された。当初、日眼会誌とJJOは連携誌として著作権を共有しており、JJOと日眼会誌に同じ論文を投稿することを容認してきた。しかし、連携誌という概念は一般的には認められておらず、国際的にみた場合には言語が異なっても重複投稿であることに他ならないとする意見が大勢を占めるようになった。そこで平成14年1月受付論文から著作権を分離し、どちらか一方へ投稿された論文は他へは投稿できないことになった。この影響は特に基礎研究論文の投稿数にみられ、図に示すように第101巻(平成9年)から第104巻(平成12年)にかけて30〜40篇程度あったものが第107巻(平成15年)以降は一桁に減少した。しかし、漸減の最も大きな要因は英文誌への投稿が根付いたことにあるようだ。JJOへの国内からの投稿は堅調であり、国内から海外誌への投稿数も非英語圏では第一位と聞く。研究教育機関での地位や研究費の獲得には英文誌への掲載が業績として重用されることや情報発信のグローバル化を考えると自然な流れである。

図 日本眼科学会雑誌の年間論文受付数、掲載数、基礎研究論文数の推移。
 ● :受付数、 ■ :掲載数、 ▲ :基礎研究。

 このような状況下での日眼会誌の在り方が模索されている。邦文原著雑誌として存続していくことに疑いはないが、図の傾向をみる限りこの10年で投稿数は限りなく0に近づきそうである。近年、日眼会誌の総頁数は総説、ガイドライン、生涯教育講座、談話室などの増加で補ってきた。ガイドラインは各専門学会から最新の標準診療基準を提供している。生涯教育講座などの総説は公平な立場から優れた教育的解説がなされ写真・図の質も高い。外国誌要覧では英文発表で伝わりにくい微妙なニュアンスを母国語で表現することにより自身の研究内容を正確に伝えることができるであろう。談話室ではここでしか得られない興味ある情報を知ることができる。理事会からの欄では現代眼科の情勢を知ることができるし、社会保険情報も迅速に掲載されている。国内はもとより世界の学会開催情報も数年先まで知ることができる。これらを充実していく方針に異論はないであろう。

 しかし、会員に親しまれ毎月手にとってもらえているかというと疑問である。日本眼科学会の会誌として会費で発行されている以上、すべての会員に手にとってもらえる情報を提供する義務がある。そのためには現状のソリッドな学術知識の提供に加えて、情報誌としての側面を拡張する必要があるのではないか。まだ評価の定まっていない診療技術やオフラベルの薬物使用情報、最新機器情報、新薬情報や副作用情報、進行している治験、多施設研究の中間報告、さらに求人や病院、大学情報、厚生労働省情報などもあってよいのではないか。世界の学術情報や眼科社会事情などを簡単にインターネットで入手できる時代に会員の興味を惹くことは至難であるが、母国語での情報提供という強みはある。強みを生かし、オンライン化も視野に入れて眼科最新情報の中心に位置づける手段は多々あるように思う。

 JJOの投稿、査読のオンライン化が本年4月を目標に三宅養三委員長のもと柏井 聡、岡田アナベルあやめ両委員により準備が進んでいる。海外からの投稿も増え、より評価の高い雑誌にするためには、査読作業の効率化、迅速化が必須である。郵送費の負担が軽減されるメリットも大きい。Springer社が有しているソフトウェアを検討中であるが、いくつかのJJO独自の問題がある。まず、国内からの投稿論文の査読は日本語の方が理解しやすいので英語ベースのソフトウェアに日本語が使用できるようにする必要がある。また、通常の商業誌ではセクションエディターの段階で受理決定がなされるのに対し、JJOでは学会誌という立場から最終決定は編集会議で合議のうえ、編集委員長によってなされるため、ネット上から離れた会議を必要とする点などである。査読期間が短縮すると査読者にかかる負担は増加する。特に網膜硝子体、前眼部分野では投稿が多く査読者の負担が多いため海外も含めた査読者の増員を準備中である。オンライン化により投稿数が増えると、いよいよ月刊誌になる可能性が出てくる。JJOには多分野にわたり優れた論文が多く掲載されている。JJOの国際的評価を向上させるためにも、投稿されるときには是非とも過去のJJO論文を参照されるようお願いします

財団法人日本眼科学会
常務理事 根木  昭

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