日本眼科学会:専門医制度、専門医について(111巻10号)
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専門医制度、専門医について

 今年度より、専門医制度委員会を担当することになりました。
 新医師臨床研修制度(いわゆるスーパーローテイト)の実施から3年が経ち、専門医制度を取り巻く状況も変化してきていますので、昨今の状況についてまとめてみたいと思います。

1.専門医認定試験の合格率は?
 今年の6月に行われた専門医認定試験(以下、試験)は592名が受験し、合格率75.3%(初回受験者84.8%、再受験者51.8%)との結果でした。昨年は合格率63.8%(初回70.3%、再40.3%)と低かったのですが、一昨年は72.1%(初回82.1%、再42.3%)、3年前が72.7%(初回79.6%、再49.1%)でしたので、今年は例年並みに戻ったといえます。
 なお、他科の試験合格率も70〜80%のところが多く、眼科の試験合格率は標準的な水準となっています。

2.眼科専門医の数と割合は?
 今年の9月末日現在、眼科専門医は9,688名で、そのうち移行措置で専門医となったもの3,835名、試験に合格したもの5,853名となっています。日眼会員の約7割が専門医ということになり、これに専門医志向申請者1,328名を加えると、約8割が専門医を取得ないしは取得しようとしているということになります。逆にいえば、約2割の会員は専門医を取得する意思がない、あるいは志向申請をしていないということです。後述しますが、これまでは専門医資格の認定を受けるメリットがあまりなかったことが、その理由かもしれません。

3.専門医制度の“公式度”
 眼科専門医制度は、日本眼科学会が独自に立ち上げた制度であり、外へ向けての公的な資格とはいいがたい面がありました。これは他の科でも同様で、各科が個別に専門医制度を取り決めていたため、統一性に欠け、いわゆる“専門医”としての権威や利点を確立しにくい状況にありました。
 これに対し、各科の専門医制度を横断的に管理し、社会的に広く納得してもらえるような制度にしていこうという動きがあります。日本専門医認定制機構という組織がそれに当たっており、各科の専門医制度を評価・審査することによって、質の担保を図るべく作業を行っています。また、各学会での専門医制度の構築に関する基本的事項を指針として示しています。最終的には専門医認定に関する第三者機関となることを目標としています。
 日本眼科学会の専門医制度も、日本専門医認定制機構の評価・審査を受けていますが、その評価はきわめて高く、非常に良く整備された制度だとされています。また、専門医制度整備指針にも非常に良く則しています。ただ一つ、指針では“指導医”が必要で、“1人の指導医が同時に3名まで専門医志向者を指導する”と定めていますが、現在の眼科のシステムには指導医は存在しません。この点をどのようにしていくのか、喫緊の課題として現在取り組んでおり、新しい制度を導入すべく検討を開始しています。

4.新医師臨床研修制度と専門医認定試験受験者
 2003年に卒業して研修を開始した医師は、従来どおり5年間の研修を経て、2008年に試験を受けます。翌年の2004年に初期研修を開始した医師は、スーパーローテイトの2年間に加え、後期研修4年を終えた時点で受験資格を得ることになりますので、受験は2010年になります。したがって、2009年の初回受験者は非常に少なくなります。
 余談ですが、受験者が減ると、受験資格を得るために必要な論文の投稿数も並行して減ることになり、国内の眼科雑誌は論文が集まらず苦慮する事態が予想されます。これを2009年問題(平成21年度問題)と呼ぶ向きもあります。

5.研修医と専門医
 最近の若い医師は、学位取得にはほとんど興味を示さず、専門医だけは取得したいと考えている者が多数といわれます。しかし、研修医の面接をしていると、スーパーローテイトが始まってから(眼科に限らず)、専門医そのものにもあまり興味がないと答える医師が増えている印象を受けます。これは、若い医師の気質の問題なのか、ジェネラリストを目指すという最近の風潮の影響なのか分かりませんが、少なくとも眼科においては一人でも多くの医師が専門医を目指してもらいたいと思います。

6.眼科専門医のメリット
 専門医であることのメリットは長らくあまりはっきりしていませんでした。しかし、各科の専門医制度が次第に整備されるにつれ、専門医であることに利点を持たせようという動きが広まってきています。
 まず、2002年10月から眼科専門医資格の広告が認可され、「日本眼科学会認定眼科専門医」と広告に明示できるようになりました。これは、各団体(各学会)が厚生労働大臣に届出を出して、審査を受けた上で“その学会の専門医制度はしっかりしているので、専門医資格の広告をしてもよい”と許可になるものです。ちなみに、現時点で50団体(学会)の専門医制度がこの許可を受けていますが、日本眼科学会の専門医制度はその中で4番目に早く許可を受けており、それだけ高い評価を受けた制度だということを示しています。
 第二に、眼科専門医は本学会のホームページで名前が公開されています。一般の方でもアクセスでき、名前や地域などで専門医を検索することができます。また、専門医認定証とは別に、眼科専門医であることを示す「眼科専門医プレート」を作成し、実費で頒布しています。専門医であるかどうかの情報を、一般の方でもすぐに手に入れることができるということです。
 第三に、ある程度以上の規模の病院では、専門医資格がないと役職に就任できないことが少なくありません。最低でも専門医程度の知識と技術を持ったレベルの医師に務めてもらいたいということでしょう。また、大学関連病院を除けば、眼科専門医資格を有する医師がいないと、その施設は眼科専門医制度の“研修施設”として認定されませんので、専門医を志向する若い医師がそこで働きづらくなります。
 第四に、身体障害者手帳申請の基となる診断書作成可能な医師は、医籍登録後に5年以上の適切な医療機関(大学、臨床研修指定病院、学会認定施設等)での研究・診療従事の有無を確認して指定を行っていますが、本会専門医は条件に合致するため、専門医であれば指定医になれることになります。
 第五に、評価療養に含まれる先進医療との関係があります。OCTなどの眼底3次元画像解析が先進医療として認められていますが、実施責任者の資格として“日本眼科学会専門医”との要件が記載されています。例えば将来、何らかの新しい治療法や術式が先進医療として認められた場合、同様に眼科専門医でないと実施責任者になれないという縛りがつく可能性は高いと思われます。

 日本専門医認定制機構の関与によって、各学会の専門医制度は今後、より公的な性格を帯びたものになっていくと考えられます。そしてそうなれば、医療行為を行う資格に何らかの区分や制限を設けたり、報酬に格差を設定したりしようと行政側が考えた場合、その手段として、将来的に専門医資格が使用されるようになる可能性は高いでしょう。眼科専門医制度のいっそうの充実と発展のために、みなさまのご理解とご協力をお願いいたします。

財団法人日本眼科学会
常務理事 大鹿 哲郎

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