日本眼科学会:理事会から(112巻4号)
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理事会から

 平成11年に日本女医会は女性医師の働く環境の改善と支援体制の整備の拡大を求める要望書を政府や全国の大学医学部などに提出しました。それには、「1.男女共同参画を理念とする医学教育、研究ならびに医療体制の推進、2.医師の職場における男女雇用機会均等法、労働基準法、育児・介護休業法等の遵守徹底、3.女性医師の特殊性、専門性を勘案した環境支援体制の設備拡充」が記されていました。10年が経った現在、それらは実現されているでしょうか。

 平成20年3月現在、日本眼科学会会員13,651人中女性医師は約40%を占め、女性医師の眼科専門医取得率は73.1%に達し、男性医師の取得率の74.7%とほぼ同率になっています。しかし、勤務実態をみると、男性医師では勤務医と開業医が半々であるのに対し、女性医師では約67%が勤務医です。日本眼科医会の眼科女性医師活性化委員会(『日本の眼科』3月号)のアンケート調査結果をみると、大学附属病院における女性常勤勤務医師の比率は、大学院生では約40%、後期研修員および医員では約50%、助手・助教25%、講師15%、教授6%と上級医師になるほど低くなっています。以前、女性の昇進について「ガラスの天井」という言葉が使われましたが、このアンケート結果は大学附属病院ではその状況が今でも大幅には改善されていないことを示しています。

 女性には、出産、育児という大切な役割があります。それは、家庭を営む男女の共同責任であると同時に、我が国の次世代を担う人材を育成するという、社会全体の責任です。能力以外の条件で差別されることなく、医師としての能力を十分に伸ばし、家庭と両立するためには環境の整備が必要です。当然のことなのですが、実際には種々の問題があります。前述のアンケートによれば、妊娠中、あるいは育児中の女性に対して約80%では、「勤務時間、当直免除など配慮されている」と回答されています。当院眼科では、「妊娠が分かったら当直なし、産前6週、産後8週の産休(この産休期間は労働基準法に則ったものであり、専門医受験資格の産休の算定基準になっています)、産後1年間は午前9時から午後5時までの勤務で、当直なし」と決められています。しかし、女性の看護師が1年の育児休暇をとるのに比較すると条件は悪く、0歳児保育、時間延長保育、病児保育、休日保育の施設などは個々の女性医師が自分で確保しなければなりません。「病院内に保育所を作る運動をしよう」と呼びかけたら、「御茶ノ水まで満員電車に乗ってどうやって赤ん坊を連れてくるのですか?」という答えが返ってきました。組織や社会のきめ細かい支援体制がなければそれらを活用することさえ難しく、個人の努力だけではどうすることもできません。臨床医療、研究についていえば、最も医学知識を修得するのに適している20代後半、30代に時間的制約があると能力を伸ばしていくことも、腰を据えて研究することも難しく、一度修練をやめると復帰には高いハードルが待ち受けています。日本眼科学会の女性医師会員の34.2%が30代です。20代には入会前の医師もたくさんいらっしゃると思います。それらの人たちはこのような厳しい現実と向かい合っているわけです。

 優れた資質を有し、よく学び、医学部を卒業し、国家試験に合格して医師になり、眼科医を志した希望にあふれた若い女性医師たちが現実に失望することなく、自己の能力を十分に発揮し、医学の発展と進歩に貢献できるようにするためには個々の努力が必要なのは言うまでもないことですが、それらが報われるような体制作りも急務です。最近は地方自治体、大学などで女性医師に対する支援システムが構築されてきています。それは人材バンク的なもの、復帰のための臨床トレーニングシステム、託児所の整備が主です。日本眼科学会の戦略企画会議の第六委員会も、会員の支援と組織の発展をテーマに色々な検討を行っていますが、その中には女性医師を対象にしたものも含まれています。種々のシステムをきめ細かく整備し、滞りなく運営するためには、持続する大きなエネルギーと緻密な計画と資金と歳月が必要です。5年後には冒頭であげた提言が実現され、眼科女性医師たちが社会を担うさらに大きな力になることを切に願っています。

財団法人 日本眼科学会
理事 湯澤美都子

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