日本眼科学会:眼科社会保険―最近の動向(113巻3号)
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眼科社会保険―最近の動向

 社会保険担当理事の大橋です。第111巻12号では、新しく立ち上げた日本眼科啓発会議の取り組みについて紹介しました。今回は、社会保険担当理事としての立場から、最近の動向を報告したいと思います。

 平成20年度の診療報酬改定においても、日本眼科医会との連携による、日本眼科社会保険会議を中心に活動を展開しました。成果のうち、最もインパクトの大きかったのは、6年越しのプロジェクトであった眼底三次元画像解析の承認でしょうか。総力をあげての取り組みでしたが、結論から言えば、この検査法を『評価療養』と呼ばれる特区的な自費診療枠に送り込めていたことが大きな要因であり、『評価療養にリストアップされた項目を優先して診療報酬化する』という厚生労働省の基本方針が再確認された形となりました。その点で言えば、多焦点眼内レンズ手術が新しく評価療養に認定されたことは素晴らしい話だと思います。手術料までが自費となっている点にやや不満はありますが、手技の一般化とともに間違いなく話は変わってくるはずです。できるだけ多くの先生方がこの手術に関与されることを願っています。
 その他、角膜移植術と緑内障濾過手術の点数アップも明るい話題でした。前者についてはアイバンク活動の財政基盤の強化、後者については周術期管理の充実などを主眼においての評価と思われます。また、一見地味ですが、細隙灯顕微鏡検査の点数アップも実質的な成果でした。眼底検査と並ぶ眼科の主要検査であり、そのステータスが上昇したことは個人的にも嬉しい限りです。ただ、コンタクトレンズ(CL)検査料については来るところまで来たという印象です。折りしもCL装用に関連した角膜感染症が増加しており、オルソケラトロジーレンズの認可も近づいています。CL処方箋の問題、販売ルートの問題などを含め、ユーザーの健康をどう守っていくのか、原点に立ち戻り、CL診療の再構築に向けて考え直す必要があると思います。

 この一方で、外保連(外科系学会社会保険委員会連合)では手術診療報酬の再評価に向けてさまざまな取り組みが進んでいます。その一つが手術時間の見直しです。先の外保連の調査結果を受け、日本眼科学会においても独自の調査を行いましたが、白内障手術についての中間値は20分と両者でほぼ同様の値でした。その結果、白内障手術については、緩和措置のなか、所要時間が従来の2時間から1時間へと短縮されました。ご存知の方も多いとは思いますが、外保連では手術技術料を所要時間、人件費、難易度の3つの要素で決定しています。単純に考えれば白内障の技術料は減額すべきであるという話になるのですが、このコンセプトにはかなりの無理があります。手術時間の短縮=簡単な手術ではないからです。手術時間の短縮=技術の進歩であり、むしろ、低侵襲で安全な手術が提供されているという証しとも言えます。眼科として主張すべき点は敢然と主張していく所存です。
 さて最近、外保連試算の変数に手術コストを取り入れようとする動きがあります。これを受け、我々も日本眼科社会保険会議の中にある第五分科会(手術診療報酬検討委員会:竹内 忍委員長)を中心に独自の調査を開始しています。眼科手術では保険で還付されない多数のディスポーザブル製品を使用していますが、この努力が診療報酬に適正に反映されていないというのが実感です。外保連での公正な議論を通じて、すべての診療科が納得できる基準が作成されることを心より願っています。

 もう一つ、手術診療報酬を評価するうえで忘れてはならないのが社会的貢献度です。人間は情報の80% を視覚から取り入れており、視機能の低下は社会的活動の低下に直結します。そこで、日本眼科啓発会議では、第二分科会(山下英俊委員長)を機軸に白内障手術の効用値を評価する多施設研究を展開中です。本研究では、白内障が患者の日常生活機能にどの程度の影響を与えているか、白内障手術により日常生活機能がどの程度改善されるのかについて、効用値としてQALYs(quality adjusted life years)を算出し、白内障手術の医療経済学的な効果を評価する予定です。今回の研究では、白内障手術による効用値の上昇をtime trade-off(TTO)、EQ-5 D、HUI-15という3つの指標で評価していますが、パイロットスタディの結果では従来の報告と同等もしくはそれ以上の値が得られています。本研究での成果をもとに、社会的貢献度が外保連試算の新たな変数として加えられるよう、努力していきたいと思います。

 今後とも日本眼科社会保険会議を軸に、次期改定に向けて活発な議論を進めていく予定です。できるだけ多くの診療技術を評価療養枠へ送り込むとともに、眼科手術の社会的貢献を強く訴えていく必要があります。会員の皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。

財団法人日本眼科学会
常務理事 大橋 裕一

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