日本眼科学会:理事会から(113巻4号)
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 2004年(平成16年)に始まった初期臨床研修制度は医療現場に大きな混乱を招き、地域と診療科における医師偏在という我が国の医療システムの脆弱性を露呈しました。眼科においても専攻医は激減し教育現場での医師不足、関連病院からの引き上げで医療崩壊が進行し、特に地方での影響は深刻です。産科や小児科の労働環境の過酷さに対比して、勤務が楽で訴訟リスクの少ない眼科への志望者増大という誤ったマスコミ報道が、学生や研修医に眼科医過剰という風評を形成しています。日本眼科学会ではそのような報道や発言に対し、その都度最近のデータを示し抗議することで情報の是正に努めています。しかし、眼科の医療危機問題は眼科だけで解決できるものではありません。臨床各科の学会側からこれらの問題を考える場が日本医学会にあります。今回は庶務理事として担当している日本医学会臨床部会運営委員会の活動について紹介します。

 日本眼科学会は日本医学会の1分科会であり、日本医学会は日本医師会の内部組織という位置付けになっています。ホームページによると日本医学会は日本医師会の設立より早く1902年の第1回日本聯合医学会に発し第3回から日本医学会の名称になり、学問を中心に日本の医療向上に寄与してきました。その後、敗戦によりGHQ指導のもと日本医師会と合体し、新日本医師会の中で学術部門を担うという形態になり今日に至っています。現在、日本医学会には日本外科学会、日本内科学会、日本解剖学会、日本生化学会など105の分科会が所属しています。日本医師会からは日本医学会に補助金が出ており、日本医学会から各分科会に助成金が配付されていましたが、最近この構図を見直そうという動きもあり日本眼科学会をはじめ多くの分科会がこの助成金を辞退しています。

 各分科会は従来、研究成果の発表や討論の場、診療技術の向上を検討する場を提供するなど学問の向上を第一義に主として内的な活動をしてきました。しかし、臨床専門医の集団が閉鎖的な内的活動だけをしていたのでは現代の医療が抱えている問題を解決することはできません。専門家集団として社会と問題を共有し、その解決に向けて社会の支援を得なければ医療危機を乗り切ることはできません。各分科会が抱えている近年の問題は分科会ごとに検討する範囲を超えており、臨床各科が横断的に検討し具体策を日本医学会に提案するというボトムアップ機構を作る必要性がでてきました。

 2007年(平成19年)、日本医学会定例評議員会において従来の日本医学会分科会の9部会の構成は、基礎・社会・臨床部会の3つの部会に再編されました。日本医学会臨床部会会議の目的は、日本医学会が臨床的な課題に関して、関連する学会の意見を統一し表明することにあり、日本眼科学会からは理事長が参画しています。しかし、臨床系の各学会が一堂に会することは機動性に欠くことから、臨床部会会議の下部に運営委員会を設け、運営委員会において、臨床系医学会に共通の課題を検討し、必要に応じて臨床部会会議に懸けることとなりました。日本医学会臨床部会運営委員会は日本外科学会、日本内科学会、日本眼科学会などの基本領域10学会と日本循環器学会、日本消化器外科学会の2つのsubspecialty学会で構成され日本眼科学会からは庶務理事が参画しています。

 日本医学会臨床部会運営委員会では現在、診療関連死、専門医制、新公益法人制に関する3つの作業部会が動いており、眼科は現在、専門医制度に関する作業部会に属しています。専門医制度の問題は古く、各学会が独自に専門医制度を設立したことに端を発しています。2002年(平成14年)に厚生労働省による医業に関する広告規制緩和の一環として専門医の広告が可能になったため混乱を招きました。厚生労働省の基準は単に外形基準を定めたもので専門医の質は問われていません。それぞれの学会によって専門医の認定基準は異なっています。社会に信頼され、診療報酬にも反映されるには一般の人からみて育成、評価、認定制度の質が担保されていることが必要です。認定には専門家集団だけではなく、第三者機関による評価が世界的基準であり、それに向けて日本専門医制評価・認定機構が2008年(平成20年)に設立されました。

 内科系では各学会が細分化する前の共通の知識・技能を保証する認定医制を設け、そのうえにsubspecialtyの専門医制を設けるという2段階制を主張する意見があります。外科系では年間の手術件数に基づく厳密な技術評価の必要性を訴えます。そのためには専門医養成施設の充実とマッチングなどの人材選抜システムも必要です。プログラムに定員が設けられると自ずから専門医の数も決まってきます。専門性を高めるためには数の制限が必要です。一方で我が国に不足している総合医の養成をどのように位置づけるか、専門医教育と初期臨床研修を如何に連携させるかも問題です。日本眼科学会の専門医制度は他科の手本にもなっている優れた制度です。優れた専門医制度の確立は医師の偏在や診療報酬といった問題の解決、そしてなにより国民の求める医療の提供という点から必須です。そのために日本医学会、日本医師会、日本専門医制評価・認定機構と十分な議論を擦り合わせて、国民の目線で質の担保された制度の実現に向けて継続した検討が必要です。

財団法人日本眼科学会
常務理事 根木  昭

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