日本眼科学会:理事会から(114巻8号)
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 平成16年に新しい医師臨床研修制度が始まって以来、大学の眼科への入局者が激減しています。一方、大学以外の研修施設で後期研修を始める眼科医が増加したのではないかと考えられていましたが、実際には平成19年をピークにこちらも減少傾向にあります。日本眼科学会への入会者数でみると、ピークの平成13年度の586名に対して、平成20年度では330名です。すなわち、眼科を選ぶ初期研修医は明らかに減少し、現在まで年々増加してきた眼科医数は今後減少に転じる可能性が高いと考えられます。今から10年ほど前には入局者数も多く、眼科のバブルとさえ揶揄されることもありました。現在では手術の保険点数も当時より下がり、ディスポーザブル製品の費用がその多くを占めるようになり医療経済的にも厳しい状況に陥っています。さらには医師臨床研修制度改革によって入局者数は減少し、眼科は苦境に立たされています。それでは今後、どのようにすれば、ソフトランディングし、再び回復に転じることができるでしょうか。

 最近、産科、小児科、救急医療などの厳しい状況がマスコミでクローズアップされ、命に関係の少ない眼科、皮膚科などの医師数の増加が問題にされています。もちろん、命にかかわる診療科が重要であることは当然ですが、外界からの情報の80% を占める視覚を守っている眼科が軽視されることは我々眼科医にとっては我慢できません。そういった状況を背景に日本眼科学会と日本眼科医会は日本眼科啓発会議を発足させ、一般やマスコミ向けに眼科医療の重要性を示すと同時に、医学生、初期研修医に眼科のすばらしさを訴える活動を開始しました。また社会保険担当の理事は、厚生労働省、政治家さらには外保連に眼科医療の重要性を示し、ロビー活動を積極的に行っています。

 一方、大学は入局者数の減少にどう対応すればよいのでしょうか。一部の大学は別として、多くの大学では入局者の確保に四苦八苦しています。そういった状況下で、香川大学眼科では、少ない医師数で充実した医療を行うための新しいシステムを構築しつつあります。医師は医師本来の仕事のみを行い、それ以外の業務はコメディカルスタッフに行ってもらうというポリシーです。過去、私たちは医師が本来行う必要のない業務を結構行ってきました。私が赴任した当時、視能訓練士(ORT)は1 名のみで、クラークは0という状態でしたので、カルテの記載、診断書の作成、次回の来院日や検査、手術の予約、眼底撮影、視野検査、光干渉断層計検査などの検査はもとより、病歴聴取、視力検査なども当然のように医師が行っていました。当時、10名余りの医師で行っていたので、彼らにかなりの負担をかけていました。そこで、数年前から、ORT、クラークの雇用を病院側に積極的に働きかけ、現在では、ORT 5名(1名フォトグラファー)、病棟クラーク1名、外来クラーク2名まで増員しています。したがって、上記の各種検査はすべてORTが行い(研修医が検査をマスターする意味で行うことはある)、来院日、検査、手術などの予約、保険会社の診断書の作成などの業務はクラークが行うようになりました。一般の病院でも同様と考え、関連病院の部長には、病院長にコメディカルスタッフの増員を要請するように勧めています。給料の高い医師を雇うよりORTやクラークの方が安上がりで、病院経営上プラスにもなります。香川大学眼科では、現在さらなる増員を病院側に要請しており、今後各診察室での電子カルテの記載なども行ってもらう予定です。このように、少ない医師数でも、診療において医師本来の仕事以外は行わないことで、研究、論文作成などに時間を割くことが可能になってきました。さらに、医師数が少ないことで、逆に、研修医を除いて全員が外来の診察枠を持つことができ、白内障は当然のこと、網膜硝子体、緑内障、斜視などもそれぞれの専門医が手術適応を決め、自分で手術を行っています。こういった状況は、医局員各々が大学で医療を行うことのモチベーションにつながっています。

 以上、当然のことではありますが、日本眼科学会と日本眼科医会の綿密なチームワークによって眼科のイメージ、保険診療面での発言力をアップさせ、一方、個々の大学、一般医療機関では眼科医にとって働きやすい環境をつくっていくことで、今後、眼科の状況が好転していくものと考えます。

財団法人 日本眼科学会
理事 白神 史雄

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