日本眼科学会:外保連と眼科(114巻9号)
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外保連と眼科

 以前から日本眼科学会(日眼)関係の多くの仕事をさせていただいていますが、特に、私が現在深くかかわっていて重要と感じているものが二つあります。一つは外保連手術委員会の日眼委員、もう一つは日眼英文機関誌のJapanese Journal of Ophthalmology(JJO)のCo-Editorです。私にとっては、両者ともに多くの時間と労力と気力を使っておりますが、JJOの方は編集担当常務理事からいずれ話もあろうかと思いますので、ここでは 「外保連と眼科」 と題して、眼科手術の社会保険上の現在の問題について述べさせていただきたいと思います。理事会には直接の関係はありませんが、眼科医療と学会の根幹にかかわることですので、お許しを願いたいと思います。

 外保連というのは外科系学会社会保険委員会連合の略語で、外科系診療科の社会保険関係の重要事項を協議し、各科がバラバラでなくまとまって行政に働きかける組織です。特に、数年毎に手術、処置、検査の診療報酬の試案を協議作成して、厚生労働省や中央社会保険医療協議会(中医協)に提出しております。今までは、外保連試案は単なる参考資料でまったく顧みられず、診療報酬の決定に影響力はありませんでした。しかし、今春の診療報酬改定では行政の方針が大きく変わり、中医協は『手術報酬に関する外保連試案(第7版)』を参考にして、技術度(A〜E群の5段階)の高いE群とD群の手術の診療報酬を大きく上げ、眼科手術の多くの手術料が増額されたことは周知のことと思います。外保連試案は今までになく重要性を増してきました。このような変化の背景には、外保連試案を各科の要望に従って作るのではなく、一定のルールのもとに、手術報酬の基礎となるデータ(手術時間、手術にかかわる医師や看護師などの数、手術の技術度)の実態調査を重ね、絶えず内容を検証する努力がなされてきたことが評価されたものと思われます。今後も、外保連の手術報酬試案は改定され、国民に分かりやすく公明正大な内容にする努力がなされていくことと思います。さて、ここまでは表向きの耳触りの良い話です。良い話には裏があるのが世の常、外保連における眼科の立場はこんなに格好いいものではありません。

 外保連の手術報酬を決める基本方針は、原価主義(手術時間、手術にかかわる医師と看護師の数、手術の技術度の3要素で積算される)ですが、これは、平易に言えば長い手術ほど高報酬になるもので、手術手技と機器の改良により手術が洗練され、短い時間で低侵襲の手術をしている眼科にはなじまないものです。比較的最近まで、眼科手術の手術時間が昔の水晶体嚢内摘出術や計画的嚢外摘出術で1〜2時間かかっていた当時の時間がそのままに外保連試案に記載されていました。しかし、実態にそぐわない手術時間の記載があるという指摘が外保連でなされ、外保連が実態調査をする事態となりました。その結果、眼科手術の大半が実態と乖離しており、他科と比べて群を抜いて実態より長い手術時間の術式が多く、しかも、その乖離の程度も大きいことが明らかにされたわけです。日眼としても独自の調査をして外保連の実態調査結果と大きな差異がないことを確認し、このようなデータに基づいて手術時間を訂正(短縮)しました。一方、周知のとおりに眼科では高額な手術機器を使用し高額な多くのディスポーザブル製品を使用していますが、これらはまったく償還されません。このまま外保連の方針でいくと、早晩に眼科手術が崩壊することが真剣に危惧される事態です。日眼と日眼医で構成される日本眼科社会保険会議では、危機感をもってこれらの問題に取り組んでいます。

 一つは、眼科からの要望により、次回の外保連試案では手術に使用する医療材料費を手術報酬の中に組み入れることが決定されました。現在、各手術で使用されるディスポーザブル製品などの調査が進行しております。もう一つは、手術の社会・医療経済への貢献を手術時間などと同じように手術報酬の決定要素の一つにするようなシステムの開発です。

 外科が中心の外保連においては、眼科手術の特殊性を他科になかなか理解されない孤独感があり、もどかしい思いをしながらも、眼科の立場を事あるごとに主張し、また、日眼と日眼医が協力して眼科の主張の裏付けとなるデータの収集・調査を行っております。外保連手術委員として、その最前線というか矢面に立たされて、何とか迫りくる多数の矢を避けるだけではなく、バッサバッサと切り落として向こうに迫ることができればと思っています。でも、むつかしい!

財団法人 日本眼科学会
理事 望月  學

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