日本眼科学会:日本眼科学会会計を2年間担当して(115巻6号)
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日本眼科学会会計を2年間担当して

 夏目漱石の「吾輩は猫である」の中の主人公は、苦沙弥先生と迷亭先生ですが、この二人は一応“学者=学問を生業とする”者として描かれており、それに対して横町の実業家金田某とその子分の鈴木藤十郎さんが登場します。漱石の分身たる苦沙弥・迷亭両先生は彼らを「黄白青銭の徒、活動小切手」と呼び軽んじ、一方金田さんは「ぺんぺん草の生えた屋根の下に住む馬鹿な奴等」とまともに相手にしていません。この図式は、古代中国儒教文化の影響下にある国での「学問」と「貨殖」の関係、換言すれば儒家と法家の関係を分かりやすく描き出しています。日本眼科学会(以下日眼と略)も学会と名の付く以上建前も本音も苦沙弥・迷亭派であり、businessとして学会を運営しているのではないことは言うまでもありません。但し、運営は只ではできないので会計事項が発生します。ところが、学会の会計事項ほど会誌上で見ても、また理事会・評議員会での報告を聞いても無味乾燥でおもしろくなく、かつ分かりにくいものはないと思われます。しかし近年、学会の会計への関心が高まっており、事の真偽は別としてその透明性を疑う発言を一会員からなされた学会もあったように聞いています。今一度、日眼の会計につき分かりやすく会員の方々に説明することは会計担当理事としての最後の仕事として時宜を得ているのではないかと思います。

 日眼の収入(年度)

 約4億5〜6千万円です。年会費、専門医更新登録料、総集会会費(総会登録料)等が会費等収入(約3億8千万円)であり、さらに広告料や自弁料等の雑誌関係および、受験料、認定料等の専門医制度関係の収入からなる事業収入(約7千万円)があります。他雑収入(著作権料、カード再発行料等)が数百万円あります。

 日眼の支出(年度)

 平成24年度公益法人資格取得のため次期繰越金を1億5千万円程度にまで減らす必要があり、現在は収入より多い約4億8千万円の赤字予算を平成23年度まで敢えて組んでいます。すなわち、JJOや日眼会誌刊行費支出(約1億円)、総集会支出(これは総集会会費収入と同額で約5千万円―後記参照)、各種補助金や国際眼科学会準備金、戦略企画関連支出(総務費:約6千万円)、専門医制度関連支出(試験、教材等:約8千万円)、会議費(各種委員会費用:約4千万円)、事業遂行に携わる職員の人件費(約5千万円)、学会を維持管理するための人件費、管理費(それぞれ約4千万円と約5千万円)等が主なもので、他に細々した支出があります。

 この収入と支出の差が赤字額で約2〜3千万円ですが、今までの黒字の蓄積が前期からの繰越金として残っており、それが平成21→22年度で2億1千万円超であったので、平成22→23年度の繰越金額は少し減り、約1億9千万円ということになります。繰り返しになりますが、この1億9千万円を1億5千万円位にすることは「すなわちbusinessではなく、学問をやる財団法人はお金を貯めこんではいけない。」という内閣府主導の公益財団法人資格取得の条件となっています。

 さてこの日眼の前月分の伝票、帳簿他は丸1日かけて磯崎公認会計士事務所により毎月監査を受けており、さらに推定決算、予算時の予算書(日本臨床眼科学会時に提出するもの)、および決算時の決算処理と決算書(日眼総会時に報告するもの)の監査も同公認会計士により行われています。事務局から会計担当理事は、年2回日眼の会計状況の報告を受けますが、その席にも公認会計士は同席し、事務局の報告が正しいことを確認するシステムとなっています。その内容をさらに会計担当理事は監事に年1回報告します。また金銭の使用状況についても、公認会計士は案件ごとに寄附行為(財団の目的)、各種規定、契約書、伺書、理事会議事録等を参照しつつ適正な決済処理が行われているかを監査(内部統制監査)していますし、さらに50万円以上の単発的支出はすべて会計理事の承認が必要です。以上のように、日眼の会計はきわめて厳しい監査システム下で行われてきていますが、この事実は以外と一般には知られていないようなのでここに敢えて述べておきます。

 日眼総集会の会計

 日眼の決算報告書等の収入の部に総集会会費収入(要するに総会の登録料)として約5千万円が記載され、支出の部にほぼ同額の総集会費支出が記載されているので、会計上は総会登録料は日眼に入り、そのまま学会運営に使用されたことになり、すなわち日眼総会は5千万円位の予算で日眼本体が開催しているかのように読めますが、実際の日眼総集会の運営は主管校が独立して、例えば日本緑内障学会総会と同様の方式で行われています。現実は、主管校と日眼の間で学会本体運営に関しての送金のやり取りは存在せず(理事会、評議員会およびその懇親会は日眼本体が行う)、すべて主管校の責任で設置した口座を介して行われています。

 日本眼科啓発会議

 日本眼科啓発会議は、日眼とはまったく独立した組織として独自の口座を持ち、管理者は同事務局長(大橋裕一先生)です。日本眼科啓発会議では独自に委員会で収入の使い道が決められています。現在の委員は学会および日本眼科医会より5名ずつ、日本眼科医療機器協会、日本コンタクトレンズ協会、日本眼内レンズ協会より2名ずつ、眼科用剤関連企業から3名および3協会長代表1名の計20名で、日眼からは戦略企画関連支出の一部として毎年650万円(医会も同額)がここ3年は支払われてきており、それ以外の収入は上記各協会等からの寄付金からなっています。

 国際眼科学会準備金

 特定資産とは、特定の目的のために、使途、保有、運用方法等に制約のある預金のことで、貸借対照表の固定資産の部に土地、建物等とともに計上されるものですが、日眼会計では従来の退職給付引当資産、最優秀論文賞特定資産がこれに相当します。

 現在、臨時会費やWOC®2014への準備金としていただいたお金は、将来の特定の目的のために計上されているものですので、国際眼科学会準備基金規程を作成して、日眼会計の特定資産として三菱東京UFJ銀行本郷支店の預金として運用されています。

 公益財団法人

 最後に最近よく会計報告その他で言及される公益(財団)法人につき簡単に説明します。従来の公益(財団)法人は、実態および会計が不明瞭なものもままあり、官僚の天下り先としてのみ存在するものもあるなど問題があったため、それらを新しい公益法人制度で内閣府のもとで公益(財団)法人と一般(財団)法人に分け、整理し直すことが定められました。公益(財団)法人は、種々の規定(公益認定基準)および認定基準チェックで厳しく外部より監督されますが、法人格から公益性が明らかとなり相対的信用力が保証される、寄付金に対する税法上の優遇があるなどの利点も多く、先にも述べましたように日眼は平成24年度に公益(財団)法人資格を取得できる予定で諸事が進められております。一方、一般(財団)法人はそれに比べ、各種制約が余りなく、事業内容への制約がないのですが、登記で簡単に設立できるため法人格からは公益性の判断ができない、税法上源泉所得課税が適用される等、財団法人としては格下に位置づけられることになります。

 以上、日本眼科学会のお金勘定につき簡単に述べましたが、この拙文が会員の方々が日眼をよりよく知るための一助になれば幸いです。

財団法人 日本眼科学会
常務理事 新家  眞

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