日本眼科学会:診療報酬と眼科医療(116巻8号)
日本眼科学会 Japanese Ophthalmological Society
サイト内検索
検索方法
English HOME English English
会員専用コンテンツMY NICHIGANDEX
サポートセンター
HelpMY NICHIGANDEXとは?
MY NICHIGANDEXへログイン
お問い合わせ サイトマップ
メインナビゲーションを飛ばす
Home会員のみなさまへ理事会から > 診療報酬と眼科医療(116巻8号)
会員のみなさまへ
コンテンツインデックスへ戻る
学術集会
専門医制度
生涯教育
ガイドライン・答申
各種手続
学会誌
理事会から
日本眼科社会保険会議
学術賞・助成金一覧
眼科関連学会

理事会から

診療報酬と眼科医療

 理事になって2年目で初登場の村上です。必要に応じて理事長や理事会の指名を受けて常務理事の補佐的な役割をすることが多い立場です。日本眼科学会事務局に一番近いところにいる理事のためか、いろいろな仕事をいただいています。

 理事会の仕事とは直接関係はないのですが、以前から外科系学会社会保険委員会連合(外保連)の実務委員をお引き受けしていたこともあり、現在まで社会保険に関連する事項に関係する機会が多く、そのあたりのことを書かさせてもらいます。実務委員は診療報酬改定に対して、日本眼科学会として眼科関連学会と協議しながらさまざまな要望をとりまとめる作業をします。診療報酬改定要望を出していくにはいくつかの方法がありますが、外保連から厚生労働省に提出する方法がその一つです。最終的には厚生労働省の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協)で審議を受けるもので、中医協で認められれば大抵は何らかの形で要望が認められます。実際には、新しい医療技術や医療材料の保険収載、個々の手技や検査に対する診療報酬の適正化について一定のフォーマットにまとめて提出しています。医療技術についての有用性については、エビデンスレベル、普及度、期待される医療への効果と医療費への影響、さらには社会への経済効果まで細かく記述することが求められています。エビデンスについては、手術や検査の位置づけが診療ガイドラインに記載されていると非常に説得力があります。その他のことについては、まとまった日本でのデータがあることはまれで、海外のデータを引用したり、さまざまな研究報告や年報などの資料をもとに推測したり、新説を紹介したりして効用を説いたりしています。一方、従来から行っている検査や処置などの改正(増点)も重要です。検査や手術については保険収載の有無にかかわらず人件費、時間、材料さらに技術の難易度を勘案した「外保連試案」により点数(価格)が算出されています。ほとんどは現実の保険点数とは大きな乖離があるのが実情です。これらの優先順位をつけながら提案を出しています。基本的には医療費を抑制しようという流れがあり、そのなかでの増点はなかなか厳しいものがあります。実際には、新しい医療技術や高度な技術を要する手術の評価を専門外の人に理解しうるように説明することよりも、基本手技の重要性を訴えながら眼科診療のあるべき姿を提示していくことのほうが随分と難しく感じます。保険収載されている検査の多くは年間の実施件数が大きいため、わずかな増点申請でもいっきに年間で億単位の医療費増の試算になりますから、従来の点数では採算割れとなることを示すか、それに見合う何かが得られることを示すことが必要です。医療技術の評価法についてはいろいろと議論がありますが、診療報酬を決める際に、その「費用対効果」も考慮すべきだという動きが中医協でも出てきており、そのためのワーキンググループが作られています。眼科医療については費用効用分析研究が日本のなかでも早くから取り組まれていますので、我々眼科医が適切な指標作りと評価法を提案していくのもよいと思います。

 診療報酬をめぐっては、医療費の増大が社会にとって大きな負担になり抑制しないと日本の経済が破綻するので何とかしないといけないという議論がよくなされます。経済のために医療を変形させるのではなく、必要な医療のために経済があるべきだと考えたいところです。医療費増抑制への動きは医療の現場にさまざまな問題を起こしていますが、屈折サービスを主軸としてよく機能していたこれまでの眼科プライマリケア体制を変質させてしまっているように思えてなりません。もう一つの気になる点は、診療報酬を操作して医師の偏在や勤務医不足の是正をしようとする動きです。勤務医の待遇改善は大賛成ですが、勤務医から開業医への人材の流れを抑えるかのように診療所での医療費を抑制してしまうことは結果的に医療の質を落としてしまう心配があります。診療科間の医師偏在問題も、それぞれの診療科の診療形態をよく考慮して議論すべきだと思います。社会保険の問題は、診療報酬のみならずプライマリケアにおける眼科のかかわり方や眼科専門医の在り方など、多元的な視点での議論が必要だと思います。

財団法人 日本眼科学会
理事 村上  晶

メインナビゲーションへ戻る
このページのトップへ
お問い合わせ利用規約プライバシーポリシーアクセシビリティ
Copyright © 公益財団法人日本眼科学会 All rights reserved.