日本眼科学会:平成26年診療報酬改定を終えて(118巻8号)
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平成26年診療報酬改定を終えて

 平成26年度の診療報酬改定が終了した。軽微なプラス改定ではあったが、消費税を含めれば実質はマイナス改定であり、提示された内容は眼科にとって期待外れであったと言える。ここでは、今回の改定を今一度振り返りつつ、今後の戦略について日本眼科学会の立場から考えてみたい。

 診療報酬改定への入口は厚生労働省(厚労省)医療課とのヒアリングである。外科系学会社会保険委員会連合(外保連)に加盟している団体が交渉権を有しており、眼科領域では現在8学会が所属している。今回は、事前に開催した日本眼科学会社会保険委員会において学会間調整を行い、7学会が重点2項目について説明を行った(表)。眼科全体として3時間半の時間枠を確保し、個々の案件に精通した眼科医が担当官に説明する形式を取った。社会保険担当理事として大半のヒアリングに参加したが、表の太字表記は特に好印象が得られたと判断した案件である。

表 厚生労働省ヒアリングにおける重点項目
 前眼部三次元画像解析は先進医療枠。

 ヒアリング後の審査は出口である中央社会保険医療協議会(中医協)・医療技術評価分科会において行われる。このうち、第2回分科会では『幅広い観点から評価が必要な技術』として24件が残ったものの、第3回分科会では5件にまで減少した。5件の中には『緑内障インプラント手術』関連の事項が3件含まれているので、実質的には3件しか採択されていない勘定になる(図1)。宿願であった『眼底デジタル撮影』が認められたほか、最も感触の良かった『網膜再建術』が新規収載された。ただ、『網膜再建術』は未熟児網膜症などを対象とした難易度の高い手術であり、実施施設も限られたものになると思われる。『緑内障インプラント手術』については、こちらの要望どおり、バルベルトとエクスプレスが差別化されたが、予期せぬ濾過手術の減点がエクスプレスのそれを上回ったため、エクスプレスへの移行が促されることが予想される。他方、眼科手術の点数が20近い手技で減点されたのは残念であった。減額は総額で64億円、特に、光凝固術、濾過手術への影響が大きかった。これは外保連が実施した手術時間調査に基づく調整措置と考えられるが、裏を返せば、手術時間の短縮=人件費の減少という思考を厚労省が継続していることを意味している。今後の動向について注視したい。

図1 医療技術評価分科会での評価
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 先進医療枠に目を向けると、本命視された『前眼部三次元画像解析』の保険収載は実現しなかった(図2)。検査機器の普及台数、実施件数などについて、『眼底三次元画像解析』の保険導入時と遜色はない点から、財源などの他の要因が見送りにつながったのではないかと推測される。また、保険導入が懸念された『多焦点眼内レンズ』については引き続き先進医療の枠にとどめることができた。しかし、2年後の改定で表舞台に引き出される可能性は高いため、どのような保険算定方式が適切か、十分な議論を進めておく必要がある。一方で、『羊膜移植術』が保険医療として承認されたが、組織移植ガイドラインの遵守というやや高いハードルのもと、一般眼科医には手の届きにくい存在となった感が強い。ここ1年については、本手術の基盤となる術者および施設基準のクリアに重点を置かざるを得ないと思われる。

図2 先進医療会議での評価
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 3月には、短期滞在手術等基本料3に分類された水晶体再建術をめぐって当局との熱いやり取りがあった。「日帰り手術(1日入院)の片眼の水晶体再建術」と、出来高計算ではその2.5倍程度になる「4泊5日の入院で右眼と左眼の2回の水晶体再建術を施行した場合」が同点数であることは明らかに不合理であり、大学病院を中心とする数多くの診療施設に混乱を与えた。適切な是正に向け、日本眼科医会とともに医療課との折衝を続けていく所存である。

 今回の診療報酬改定を終えて感じたのは、厚労省とのヒアリングや中医協・医療技術評価分科会をクリアしていくために、確固としたエビデンスの提示が不可欠な点である。最も説得力のあるのは診療ガイドラインの作成であるが、各専門学会においては、新設・改定要望を早期に定め、疫学調査や臨床研究などを通じて客観的なデータを集積する努力が求められる。このような背景を踏まえれば、日本眼科社会保険会議を中心に、そうした地道な活動を支援する体制を構築する必要がある。

公益財団法人日本眼科学会 常務理事 大橋 裕一

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