日本眼科学会:フィリピンでのビジョンバン活動報告(118巻10号)
日本眼科学会 Japanese Ophthalmological Society
サイト内検索
検索方法
English HOME English English
会員専用コンテンツMY NICHIGANDEX
サポートセンター
HelpMY NICHIGANDEXとは?
MY NICHIGANDEXへログイン
お問い合わせ サイトマップ
メインナビゲーションを飛ばす
Home会員のみなさまへ理事会から > フィリピンでのビジョンバン活動報告(118巻10号)
会員のみなさまへ
コンテンツインデックスへ戻る
学術集会
専門医制度
生涯教育
ガイドライン・答申
各種手続
学会誌
理事会から
日本眼科社会保険会議
学術賞・助成金一覧
眼科関連学会

理事会から

フィリピンでのビジョンバン活動報告

 4月に行われたWOC2014は本当にすばらしい学会でした。大鹿哲郎WOC2014会長が本誌第118巻6号「理事会から」で書かれているように、日本の力を世界に見せた学会であったと思います。日本眼科学会は様々な会員向けの活動を行っていますが、それとともに日本の眼科の力を世界に示す活動も重要だと思います。その意味で今回、日本眼科学会と日本眼科医会が協力して行ったフィリピン台風被害に対する眼科支援活動「プロジェクト・ビジョンバン」の活動について報告したいと思います。

 平成23年3月11日の東日本大震災の直後から様々な医療支援が被災地で行われてきました。眼科も発災直後から地元の大学や眼科医会、さらに全国のボランティア眼科医が協力して被災地眼科医療支援活動を行ってきました。しかし体育館などの避難所での医療支援は眼科以外の科にとっても困難なものですが、暗室も器具もない環境では眼科にできることは本当に限られてしまいます。このとき、慶應義塾大学の坪田一男教授のご尽力で米国フロリダ大学から空輸された眼科医療支援車両(Mission Vision Van)が眼科医療支援に非常に役に立つものであることが分かりました。この車両は短期間でしたが、大活躍をしてアメリカに帰って行きました。

 この成果から、日本でも有事に備えてこのような診療車が必要であることが議論され、日本版ビジョンバン作製が進められました。そして平成25年3月に完成式典が宮城県で行われました。この車両は震災地支援ということで宮城県が管理し、宮城、福島、岩手の3県の被災地診療を定期的に行うようになりました。

 こうして被災地の眼科診療を続けていた平成25年11月8日、超大型台風(フィリピン名:ヨランダ、アジア名:ハイエン)がフィリピン中部を直撃し、甚大な被害をもたらしました。フィリピン政府の発表によると、死者数6,201人、負傷者数28,626人、行方不明者数1,785人、被災家屋114万332軒(全壊55万928軒、半壊58万9,404軒)ということで、東日本大震災にも匹敵する甚大な被害でした。これを受けてビジョンバンをフィリピンに送ってフィリピンの眼科医療の復興に役立てようという議論が起こりました。最初の会議では、フィリピンにこの車両を送ることに設備や治安の面から懐疑的な印象を持つ人が多かったような気がします。しかし、高野 繁日本眼科医会会長、宮城県眼科医会の加藤圭一副会長、坪田教授が現地を訪れて視察した結果、やはり日本版ビジョンバンをフィリピンに送るべきであるとの報告を受け、このミッションがスタートしました。

 しかし、車両自体は宮城県が管理しているもので、被災地診療が目的の車両であるため、被災地診療が再開される4月には戻して欲しいと念を押されました。WOC2014での展示も予定されており、時間が余りありません。2014年2月8日、白井正一郎日本眼科医会副会長、加藤先生とともにフィリピンを訪れ、ビジョンバンをレイテ島に送るための最終打ち合わせをしました。通関の交渉、現地での運転についての法的な問題の話し合い(ビジョンバンが右ハンドルであることが大きな障壁でした)、ビジョンバンを船で輸送してくださる会社の社長、日本大使館の人などとの交渉、フィリピン眼科学会のHarvey S. Uy会長との話し合いなど、海外にビジョンバンを輸送する手続きは想像以上に大変でした。

 さらに、現地視察したときの衝撃は忘れることができません。タクロバンはフィリピンレイテ島の都市で、人口は22万人です。レイテ島の人口は195万人ですが、この台風被害の前ですらレイテ島にいた眼科医は11人であったそうで、台風の被害後たった1人になってしまったそうです。台風被害から数か月経っていますが、復興はまだまだ遠い印象でした。現地の眼科医(マニラに避難していた眼科医も現地に帰ってきて診療に加わりました)、日本人ボランティアや様々な方のご協力で、日本のビジョンバンはたった10日余りでしたが約2,000人の患者さんの診療を行い、これを機会にレイテ島に戻ってきた眼科医が増えてきたそうです。また、この後フィリピン眼科学会やフィリピン政府もレイテ島の眼科医療復興に向けて具体的に色々動き出したように聞いています。こんな短い期間で何ができるのだろう? と思っていましたが、予想以上に眼科医療復興の足がかりになったように思っています。タクロバン市長やフィリピン保健省からも感謝状をいただきました。WOC2014でお会いしたフィリピンの先生方からもいろいろな感謝のお言葉をいただき、とても嬉しかったです。日本の眼科の力を世界に示すことができたと思っています。

公益財団法人 日本眼科学会
常務理事 吉冨 健志

メインナビゲーションへ戻る
このページのトップへ
お問い合わせ利用規約プライバシーポリシーアクセシビリティ
Copyright © 公益財団法人日本眼科学会 All rights reserved.