日本眼科学会:理事会から(119巻5号)
日本眼科学会 Japanese Ophthalmological Society
サイト内検索
検索方法
English HOME English English
会員専用コンテンツMY NICHIGANDEX
サポートセンター
HelpMY NICHIGANDEXとは?
MY NICHIGANDEXへログイン
お問い合わせ サイトマップ
メインナビゲーションを飛ばす
Home会員のみなさまへ理事会から > 理事会から(119巻5号)
会員のみなさまへ
コンテンツインデックスへ戻る
学術集会
専門医制度
生涯教育
ガイドライン・答申
各種手続
学会誌
理事会から
日本眼科社会保険会議
学術賞・助成金一覧
眼科関連学会

理事会から

理事会から

 本年4月15日から石橋達朗理事長の後を受けて、公益財団法人日本眼科学会理事長に就任いたしました。財団法人であった日本眼科学会を公益財団法人日本眼科学会(以下、日本眼科学会)へと導かれ、さらに昨年4月の第34回国際眼科学会(大鹿哲郎学会長)を出席者約2万人の学会として日本眼科学会を指揮して大成功に導かれた石橋前理事長の目覚ましいご活躍により、日本眼科学会は歴史的な業績を後世に残したことになります。石橋前理事長はさらに、この過程で「日本眼科学会は、眼科学の進歩発展を図り、もって人類・社会の福祉に貢献することを目的とする。」(日本眼科学会定款第3条)という目的を達成するために、日本における眼科学を担当する日本医学会分科会の唯一の学会としての責任を、日本眼科学会内部に対して、さらに社会に対して示されました。その後に就任する理事長職の責任の重さに慄然としておりますが、明治30年設立以来118年もの長い歴史を持つ日本眼科学会の発展のために理事会の先生方とともに努力していきたいと存じます。

 応用生命科学としての臨床医学は、言うまでもなく基礎生命科学の延長線上にあり、社会との接点を形成するきわめて複雑な問題を含んでおり、これを解決する組織が日本眼科学会であると理解しております。生命科学、科学技術の進歩により、ドッグイヤーといわれるすさまじいスピードで眼科学、眼科医療も他の分野同様に発展、進歩しております。その多くが眼疾患患者の治療に有益なものであり、その恩恵を社会に還元することができました。しかし、今後、いろいろな選択肢の中から絶対的に有用で安全な治療法を必ずしも選択できない場合も出てくる可能性があります。また、高齢化社会を迎える社会における眼疾患患者の増加、視覚障害者の増加、他の全身疾患との複雑な合併のある眼疾患など多くの医学上の問題が懸念され、それらの対策は眼科医の責任で解決していく必要があります。日本において、さらには世界において社会的な大きな責任を日本の眼科医が果たせるように活動するのが日本眼科学会と考えます。そのために日本眼科学会の果たすべき一つには、眼科学の発展を推進すること、眼科医の力量・診療能力を社会に保障することがあります。

 眼科学の発展の推進には、有為な人材を眼科医として迎え入れること、アカデミーでの活動の魅力を伝えることなどが基本となります。日本の眼科学研究のレベルは世界でトップクラスであることは論を俟ちませんが、今後も継続的に研究成果をあげ、日本における高いレベルの研究の強みを活かして世界に貢献する体制を作るには、まずは人材獲得と人材育成です。さらに、日本眼科学会総会が学術集会として基礎的な研究に正面から取り組んだ成果を学会員が共有する場となるとともに、日本眼科学会が研究を主導することも検討が必要ではないでしょうか? 例えば、AAOが行っているIRIS(Intelligent Research in Sight)のようなビッグデータを構築し、解析して社会に成果を還元するという仕事は、個々の研究機関、大学ではなかなかできません。一朝一夕にはセットアップすることは困難ですが、取り組むべき課題の一つと考えます。

 眼科医の力量・診療能力を社会に保障するという観点から、今後、専門医育成戦略の策定がきわめて重要となります。昨年5月7日に設立された一般社団法人日本専門医機構(以下、日本専門医機構)の本格的な活動が平成28年度に開始されます。現在、その活動内容は機構内で審議中でありますが、専門医の定義は「日本専門医機構が認定する「専門医」とは、それぞれの診療領域における適切な教育を受けて、十分な知識・経験を持ち、患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師と定義されます。」とされ、眼科専門医であれば、眼科における標準的な医療を提供できる医師でなければなりません。この定義に適う眼科医を育成するためには、2つの大きな課題を解決する必要があります。

 (1)眼科の医療の「標準的な医療」とは何かをきちんと決める必要があります。眼科学、眼科医療のカバーする分野は近年の大きな進歩に伴って非常に高度で幅広くなりました。その発展には、日本眼科学会が、リーダーシップを取りかつ社会的な責任を取りつつ、眼科専門学会と協力してきた歴史があり、その成果の上に現在の眼科学の隆盛があります。この構造を体系化し、社会的に責任を取る体制を構築する結果として、国民が等しく享受する標準的な医療を定義し、提供することが可能となります。日本眼科学会では、関連する学会との緊密な連携を取るためのシステムを構築し、社会的な付託に応えるようにします。

 (2)次に、「標準的な眼科の医療」を担う医師をしっかりと教育し、育成していく必要があります。これは眼科医でなければできない仕事です。新しい日本専門医機構を構成する眼科での唯一の社員は日本眼科学会であり、その教育における責任はきわめて重いものがあります。これまで日本眼科学会が行ってきた眼科専門医の認定および研修の活動をきちんと継承できるように、日本専門医機構の方向性を正しいものとすべく18の基本領域の学会と協力していく所存です。

 学術団体として研究・教育の問題に対処するのが日本眼科学会の本来の大きな仕事ですが、眼科医療を含めて日本の医療が超高齢化などの人口動態の変化、社会変動に応じて大きな変化を遂げつつあります。このような社会の変革に対応しつつ、眼科医療が日本の隅々まで高いレベルで行き渡るためには、保険診療を中心とした日本の優れた医療体制を守りつつ、発展を期す必要があります。このため、これまでも日本眼科学会常務理事会に保険担当理事(社会保険に関する事務)を配置し、日本眼科学会として組織的に取り組んでまいりました。バランスのとれた眼科診療体制を維持、発展させ、日本眼科学会会員が安心して国民のための眼科臨床に携われるよう、日本眼科医会や日本眼科学会関連学会とともに努めていきたいと考えております。

 以上の他にも多くの問題や課題を検討し、解決していく必要がありますが、なにより、日本眼科学会の将来像、グランドデザインを策定するために故田野保雄元理事長が設置された日本眼科学会戦略企画会議の活動を継続・発展させ、国民の眼を守るために力を尽くす日本眼科学会会員に対し日本眼科学会の在り方を策定していきたいと考えております。会員の皆様には引き続きご協力のほどよろしくお願いいたします。

公益財団法人 日本眼科学会 理事長 山下 英俊

メインナビゲーションへ戻る
このページのトップへ
お問い合わせ利用規約プライバシーポリシーアクセシビリティ
Copyright © 公益財団法人日本眼科学会 All rights reserved.