日本眼科学会:理事会から(119巻11号)
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理事会から

 前期に引き続き社会保険担当理事を拝命しました。これで通算10年、「専任職」となってしまった感もありますが、日本眼科学会の外保連委員の先生方とともにもう少し頑張りたいと思います。以下、最近の社会保険領域の動きをご報告し、挨拶に代えさせていただきます。

診療報酬改定について

 平成28年度の診療報酬改定に向けた「外保連ヒアリング」が去る8月20日に開催されました。外保連加盟学会(日本眼科学会、日本眼科医会、日本眼科手術学会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本緑内障学会、日本網膜硝子体学会、日本角膜学会)のすべてが参加し、重点要求項目を説明しました。担当は若手の女性係長お一人でしたが、こちらの想いは十分に理解していただけたと考えています。

 財務省による社会保険予算の抑制トレンドの中、新たな診療報酬枠の獲得は困難を極めます。既存の技術と比較した「有効性・効率性」、「安全性」、「技術的成熟度」、「倫理性・社会的妥当性」、「普及性」などについて、明確な根拠を記載した評価提案書でなければ関所である中医協の医療技術評価分科会はパスできません。新たな術式や検査の場合、(1)対象患者はどのくらいで、患者の「アウトカムの向上」、「合併症の軽減」などにどう繋がるのか、(2)意義について学会レベルの診療ガイドラインなどに記載されているのか、などは申請に向けての必須条件といえます。最近3回の改定を振り返りますと要望項目の「持ち越し」がかなり目立ちます。この壁を乗り越えるには、各専門学会における「ガイドラインの作成」、「患者数把握のための疫学調査」など、エビデンス作りに向けた学術活動をさらに幅広く展開していく必要があるでしょう。

 一つの救いは、手術価格の算定に、技術度、手術時間、人件費、医療材料費以外の評価軸を取り入れる動きが出てきたことです。外保連の中に立ち上げられた「医療技術の新しい評価軸検討ワーキンググループ」での議論により、「費用対効果」、「延命」、「QOL改善」、「医療資源の節約」などが取り上げられることとなりましたが、眼科では、日本眼科啓発会議の事業として、斜視および白内障手術の「費用対効果」に関する計3報の研究論文がJJOに掲載されています。いずれもエビデンスとしては十分なものであり、手術診療報酬に如何に反映されていくか、今後の展開に大いに期待したいところです。

大学附属病院の窮状について

 大学法人化以来、国立大学病院の収入は右肩上がりで上昇を続けてきました。足下の愛媛大学医学部附属病院も同様であり、小生が病院長だった頃と比較して保険収入はほぼ倍増しています。この収益が国立大学法人の重要な財源となってきたのですが、近年、この構図に陰りが見え始めています。

 最近の報告では、全国の国立大学附属病院の平成26年度決算は84億円の赤字でした。その大きな理由は消費税率が8%となり、病院の設備・備品、薬剤などの購入にかかる負担が増えたことにあります。政府の増税対応措置は不十分であり、むしろ手術診療報酬の減額がボディーブローのような効果を与えています。また、設備・備品の購入額は前年度よりも87億円減り、最先端医療を担う大学病院の機能に重大な影響を及ぼしています。私立大学の医学部附属病院でも状況は同じであり、来年の10%への消費税アップにより収支はさらに悪化すると予測されています。抜本的な対応策が望まれる所以ですが、先行きは依然不透明なままです。

 眼科に目を移しますと、病院経営に寄与してきた特質が変容しつつあります。一つは、水晶体再建術が「短期滞在手術基本料3」へ異動し、平均在院日数の短縮に貢献できなくなった点です。また、現時点では収入増に繋がっている診療報酬額ですが、今回の改定で両眼・片眼の別算定区分となり、減収となるのは確実です。さらに、もう一つの「売り」だった低医療費率も抗VEGF製剤の登場、ディスポーザブル製品の汎用化でかつてほどの数字ではなくなりつつあります(愛媛大学では平成22年の24%から平成26年には32%に上昇)。眼科としてのプレゼンスを保つには、白内障手術を外来手術へとシフトし、浮いた病床を他の手術で運用していくしか方法はないのかもしれません。

今後の戦略について

 このような背景の中、学会として、今後の診療報酬改定に向けた基本戦略を描いていく必要があります。まずは、(1)日本眼科社会保険会議の業務に明るい専任職員を置くこと、(2)新たな医療技術導入のロードマップを日本眼科医療機器協会と協議・作成すること、(3)新規項目については原則として「先進医療枠」からの導入を目指すこと、などの取組みが頭に浮かびます。日本眼科社会保険会議のもと、日本眼科学会と日本眼科医会がスクラムを組んで難局に臨んでいく覚悟が必要です。

公益財団法人 日本眼科学会
常務理事 大橋 裕一

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