日本眼科学会:理事会から(120巻1号)
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 明けましておめでとうございます。本年も公益財団法人日本眼科学会をよろしくお願い申し上げます。

 本年は日本眼科学会が平成25年2月に公益財団法人に移行してから4年目に入ります。そもそも学会とは、ある領域の学問の進歩発展を図り、もって人類・社会の福祉に貢献することを目的とする組織です。もちろん日本眼科学会は眼科学の進歩発展を図ることになります。このためには、学問の場として自由にサイエンスの研究を行い、その意見交換をすべきと考えます。しかし、上記の言葉にあるように、学問は人類・社会の福祉に貢献することを目的とする以上、崇高な倫理感と高い責任感を持って学問の発展を推進する必要があります。

 我々の先輩が明治30年に日本眼科学会を創設し、第1回総会が開催されたのは明治30年2月27日〜3月1日であり、今年は119年を迎え、日本眼科学会総会は第120回を迎えます。これまでの歴史を紐解きますと、昭和3年に財団法人日本眼科学会(主任専務理事:石原 忍編集理事、中泉行徳会計理事、須田卓爾庶務理事)となり、法人として社会的な責任を負い、さらに平成25年には公益財団法人となって社会に貢献する組織として認定されたことは、これまでの多くの先輩の努力が社会にも認められた結果ともいえると考えます。ちなみに、日本医学会加盟の123学会のうち、公益財団法人となっているのは、日本眼科学会のみです。公益法人は、財務運営上の優遇措置を受けられますが、積極的に不特定多数の者の利益の実現を目的とするものでなければならず、特定団体・職域の者のみの福利厚生等を主たる目的としてはならないといわれます。日本眼科学会が公益財団法人に移行したということは、人類の眼科医療に貢献し、推進することを目指すことを意味し、それは「(公益財団法人日本眼科学会定款第3条)日本眼科学会は、眼科学の進歩発展を図り、もって人類・社会の福祉に貢献することを目的とする。」に示されています。

 平成18年に日本眼科学会戦略企画会議が発足し(初代実行責任者:故田野保雄元理事長)、今年度からその第3期がスタートしました(第3期実行責任者:新家 眞監事)。この組織で日本眼科学会の会員が一致協力して上記の目的に向かって努力する体制を構築しました。上記に示すように、高度な生命科学を基盤として駆使し、これまで不可能とされた疾患の治療を可能にしてくる過程は自由な発想とその意見交換を行う学会の中心的な機能です。しかし、公益法人となり社会的な責任を果たすためには、日本眼科学会の会員が、高い倫理感と責任感を持って皆で協力する体制を整える必要があります。このために、日本眼科学会が構築した日本眼科学会戦略企画会議は、会員が所属する組織の壁を乗り越えて協力する体制を意識して作っていくものです。諄いようですが、そのコンセプトは国民のために質の高い眼科医療を提供するというものです。このような日本眼科学会全体を挙げて取り組むべき最も大きな今年度の第一の課題は、専門医制度の確立です。

 専門医とは『「神の手を持つ医師」や「スーパードクター」を意味するのではなく、例えば、「それぞれの診療領域における適切な教育を受けて十分な知識・経験を持ち、患者から信頼される標準的な医療を提供できる医師」と定義することが適当である。』(厚生労働省 専門医の在り方に関する検討会報告書より、平成25年4月)とされています。これは、臨床系の学会ではその担当する分野全体の標準治療を整備し、次世代の医師(新制度では「専攻医」)を教育する必要があることを意味しています。日本眼科学会専門医制度の研修プログラムとなる「専門研修プログラム整備基準:領域専門医の使命」では『日々進歩する眼科医療に対応して、専門医の質を「社会的に誰でも安心して眼科医療を任せられるレベル」に保つこと。ひいては眼科医療全体のレベルアップと標準化を進めることを目的とする』としています。大変妥当な使命であり、これを達成し社会的な使命を果たすためには、そして新しくなる専門医制度を確立するためには日本眼科学会会員が協力して標準的な治療を策定する必要があり、大変な努力を要することです。今後の専門医制度は、平成26年5月7日に設立された一般社団法人日本専門医機構による専門医制度が平成29年度に開始されます。現在、眼科専門医のプログラム内容は日本専門医機構で承認され、プログラム構築に向けて石橋達朗常務理事の責任のもと緻密な制度設計がなされています。

 もう一つ、日本眼科学会全体を挙げて取り組むべき大きな課題としては、どのようにして眼科学が日本全体の医学の中でそのプレゼンスを高めていくかという問題です。再生医療の分野では、世界で最初のiPS細胞による疾患治療が眼科領域で、しかも日本の眼科医のチームにより達成されました。これからの時代を切り拓く再生医療の出発点が日本の眼科学で刻まれたこととなり、大変誇らしいことです。このような先端的な医療の臨床応用、さらに近年重要度が増してきたbig dataの臨床分野での活用など、これまでの手法では想定されていないサイエンスが日常臨床に進出してきています。日本政府でも種々の生命科学、臨床医学に関する倫理指針、ガイドラインを発出して研究と臨床の両立を図る体制整備を行っています。日本眼科学会としても、日常臨床を行う際の研究の位置づけを明確化し、目の前の患者さんの不利益とならないようにして先端医療を開発していくルール作りを今後やっていく必要があると考えております。理化学研究所の高橋政代先生のチームのiPS細胞から人の網膜色素上皮細胞を作製し、移植した画期的な治療技術は、華やかな成果が表にでますが(これは大変結構なことです)、最終的に患者さんに移植するまでに、きわめて慎重に、そして高度な倫理的配慮を行いながら気が遠くなるような手順を進めてきた素晴らしいプロセスがあることを忘れてはならないと考えます。どんな素晴らしい治療であっても、このような倫理的なプロセスをスキップしてはならず、生命科学の推進をしつつ臨床医学の倫理性を守るという難しいバランスを日本眼科学会は取ることを目指します。すなわち、先端的な医療を支える高度で説明責任を果たす倫理規範は、患者さんの安全を守りつつ治療効果を生み出すというコンセプトを変えないようにして、時代の流れとともに制度設計がなされていく必要があり、これは正に学会にとっての重要な仕事であると考えます。近年、大きな成果を生みつつあるbig data解析のもととなる疾患データベース構築にも光と影の部分があります。学会としては、新しい時代のサイエンスを支えるルールを常に考える組織でありたいと考えています。

 多くの課題はありますが、今年も前向きに日本眼科学会が発展していくために日本眼科学会会員全体のご協力が不可欠です。今年も皆様のご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。

公益財団法人 日本眼科学会
理事長 山下 英俊

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