日本眼科学会:新専門医制度への期待と不安(120巻3号)
日本眼科学会 Japanese Ophthalmological Society
サイト内検索
検索方法
English HOME English English
会員専用コンテンツMY NICHIGANDEX
サポートセンター
HelpMY NICHIGANDEXとは?
MY NICHIGANDEXへログイン
お問い合わせ サイトマップ
メインナビゲーションを飛ばす
Home会員のみなさまへ理事会から > 新専門医制度への期待と不安(120巻3号)
会員のみなさまへ
コンテンツインデックスへ戻る
学術集会
専門医制度
生涯教育
ガイドライン・答申
各種手続
学会誌
理事会から
日本眼科社会保険会議
学術賞・助成金一覧
眼科関連学会

理事会から

新専門医制度への期待と不安

 平成29年から新専門医制度による後期研修が始まります。新専門医制度については、ご存じの先生も多いと思いますが、その設立目的は、専門医が「公の資格」として国民に認知されるためとされています。そのため、中立的第三者により認定された機関が、医師のプロフェッショナルオートノミーを基盤にして運営される制度であると説明を受けています。これは制度の解説文のとおりに書いただけですが、難解な文章です。もう少し噛み砕いて言えば、「日本の医学界には各学会が設立した多くの専門医制度がある。その一部は不要であるのみならず、質の担保がなされていると必ずしも言えない。また、専門医取得のメリットも不明確であり、国民の医療や医師自身にとって有効に運用されているとは言い難い。そこで、専門医制度を公のものとすることで、専門医制度を患者や医師にとって有益なものにする。」ということになります。

 眼科は、昭和57年から独自の専門医制度をスタートさせており、我が国の医学界でいち早く制度を確立した領域です。さらに、内容やシステムに関しても、他診療領域の手本にされているほど整備されているといえます。多くの先生方は自覚されていないと思いますが、他診療科の専門医制度に比べると順調に運用されており、我々が誇ることができる制度です。あえて問題点を挙げれば、専門医取得のメリットが不明瞭であったことでしょうか。新専門医制度は、専門医取得のインセンティブについても考慮する旨の説明がされていますので、上手く運用されれば、さらに改良された眼科専門医制度に発展していくでしょう。大いに期待するところです。

 それでも、不安が大きいことも事実です。私たちは、平成16年から導入された新臨床研修制度を経験しました。この制度により、医学部卒業生がさまざまな基本領域診療科の現場を経験することが可能になりました。悪い意味での大学医局中心の医師キャリア形成システムが変化したことも事実です。一方、新臨床研修制度施行前に危惧されたことも現実になりました。例えば、地方や僻地で医師不足が起こる、基礎医学へ進む医師が減り医学研究レベルが低下するなどということです。地方の医師不足は目を覆うばかりの惨状ですが、むしろ基礎医学レベルの低下は、長期的視点に立てば、より深刻な問題になるでしょう。昨年は日本人ノーベル賞受賞者が複数誕生し、我が国の科学レベルの高さが喧伝されましたが、これは過去の科学成果についての評価なのです。長年、研究現場に携わっている目から見れば、確かに20年前の日本の基礎医学研究は活気に満ちていましたが、現在は中国や韓国などアジア諸国からの活気の方が上回っていることは否めません。科学レベルが国力に直結するという事実を鑑みると、医師偏在問題よりも心配なことなのです。そして、この現状よりも、現場の反対意見にもかかわらず新制度が導入されたという事実にいっそうの不安を覚えます。あれは新臨床研修制度導入の直前でした。制度導入による上記の懸念を中央官庁の担当者に投げかけましたが、地方の医師が減るという根拠はなく、むしろ増加するという説明を聞かされました。さて、現状はどうでしょう。

 新専門医制度においては、地方医療の充実に対しての格段の配慮が謳われており、新臨床研修制度導入の際と同じ混乱は起こらないと思えます。ただし、今回もまた日本専門医機構という眼科以外の組織が中心になって制度が導入されつつあるため、現場の不安が大きいのも事実です。日本眼科学会は、それらの不安を払拭すべく理事会が中心となってできる限りの努力をしております。その実を挙げるには会員の皆様のご協力が不可欠です。何卒よろしくお願いいたします。

公益財団法人 日本眼科学会
理事 坂本 泰二

メインナビゲーションへ戻る
このページのトップへ
お問い合わせ利用規約プライバシーポリシーアクセシビリティ
Copyright © 公益財団法人日本眼科学会 All rights reserved.