日本眼科学会:渉外担当理事を拝命して(121巻9号)
日本眼科学会 Japanese Ophthalmological Society
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渉外担当理事を拝命して

 本年4月から大鹿哲郎理事長の下、西田幸二先生の後任として渉外担当の常務理事を拝命いたしました。どうぞよろしくお願い申し上げます。「渉外」とは辞書で「外部と連絡・交渉をすること」とあり、日本眼科学会においては海外の学会との連絡・交渉、国内における啓発活動を通じて、日本の眼科医療のプレゼンスを向上させることが主な役割と考えています。日本眼科学会は学術団体であり、学術活動に力を注ぐのは当然ですが、それとともに公益法人として日本眼科学会の様々な活動に関して海外ならびに日本国民から理解を得ていく必要があります。

世界の中の日本

 我が国の眼科医療と眼科研究のレベルは国際的に非常に高く、しかも常に進歩を続けています。2014年に国際眼科学会(World Ophthalmology Congress®:WOC)とアジア太平洋眼科学会(Asia-Pacific Academy of Ophthalmology:APAO)という大きな国際学会を東京で開催したことは、世界の眼科における日本の地位を大きく向上させました。135か国から約2万人の参加があり、我が国の眼科レベルの高さをアピールできたこと、海外の眼科医・研究者との交流が深まったことなど、大きな成功を収めました。今後はそれをさらに発展させて、世界における日本の地位向上と、海外の学会との連携を強化するための継続的な努力が必要です。

 しかし一方で、最近の眼科におけるアジア諸国の台頭はめざましく、アジアのリーダーとしての日本の地位が脅かされてきているのも事実です。国際学会や国際会議では、英語を日常会話として使用している香港、シンガポールはもとより、韓国、台湾、中国などアジア諸国からのプレゼンテーション/ディスカッションのレベルの高さを強く感じます。研究内容だけでなく、おそらく診療においても、日本の方がレベルは高いと思われますが、その場のディスカッションの主導権を握られてしまうことがしばしばです。国際交流の中でもアジアの国々の立場は急速に向上しています。

 これはサブスペシャリティで事情は異なると思いますが、網膜領域でのアジア諸国の動きを、国際的に権威ある二つの網膜専門学会でみてみます。米国の学会であるMacula Society(主にmedical retina)は今年6月に初めてのアジア開催でしたが、シンガポールで開かれました。現在460名の会員のうち日本人は13名と米国・英国に次いで3番目の多さですが、ここ数年でアジア諸国の会員は急増しており、韓国7名、シンガポール6名、台湾3名、中国(香港含む)2名となっています。参考までにイタリア12名、フランス11名、ドイツとイスラエルが各々10名であり、アジアの網膜専門家の勢いが目立ちます。Macula Societyは米国人コミッティが新会員の最終候補者を決めており、研究業績と研究内容はもちろんですが、交流や人脈においてもアジアの国々の積極性と台頭を感じます。欧州のClub Jules Goninは、故田野保雄先生と石橋達朗先生が長くコミッティメンバーとして参画されており、2010年にはアジアで初めて京都で開催されています。現在271名の会員のうちアジアは19名で、そのうち14名を日本人が占め、日本の立場には強いものがあります。しかし、やはり韓国とシンガポールからの新しいメンバーが増えてきています。

 先輩方が築いてこられたアジアのトップであり続けるためには、研究成果の発信だけでなく、個々の交流を深めるとともに海外の学会と連携を強化していくことが不可欠であり、また、その立場を維持しようとするのではなくさらに発展させるという積極的な姿勢が必要と考えます。日本眼科学会戦略企画会議第一委員会では「国際化と総集会」をテーマとして、長期目標に、(1)日本眼科学会の国際化を図り、国際的地位を向上させる、(2)国際学会、他国学会との連携を強化する、(3)日本眼科学会総会、日本臨床眼科学会をより充実させる、を挙げています。来年は、その創立時(1958年)から日本が運営に深く関わってきたAPAOが香港(2月8日〜11日)で、またWOCはバルセロナ(6月16日〜19日)で開催されます。日本から多くの、特に中堅・若手の先生方の積極的な参加と国際交流をお願いしたいと思います。

日本の中の眼科

 国内での眼科医療のプレゼンス向上のために、日本眼科学会の戦略企画会議第五委員会「渉外活動と啓発活動」が「社会保険」と「人材育成と政策提言」のミッションを担っており、さらに日本眼科医会と共催眼科関連団体・企業(日本眼科医療機器協会、日本コンタクトレンズ協会、日本眼科用剤協会および眼科関連企業)とともに日本眼科啓発会議を組織して活動を行っています。啓発会議は、雑誌などでの啓発広告、定期的な記者発表会などを行い、現在では学生・研修医リクルートなどの事業を通して、視覚の重要性、眼科医療の先進性や社会貢献性、眼科医の重要性を広く国民に伝えることに努めています。

 信頼度の高いメディアを通した情報は国民・社会の捉え方が異なってきますので、時節を得たテーマで正攻法の啓発活動を行うことが中長期的に結果を出していきます。メディアの有効活用の一つとして、メタボリックシンドローム(メタボ)やロコモティブシンドローム(ロコモ)のようなバズワードが眼科として考えられないか検討をしています。

 学生・研修医啓発事業として眼科サマーキャンプが重要です。2004年に新医師臨床研修制度が開始されてから眼科を専攻する後期研修医が激減しましたが、最近になりその傾向に歯止めがかかり2014年からは増加に転じてきています1)。昨年までの過去5回のサマーキャンプの検証結果では、参加者の日本眼科学会入会率は60%であり、また日本眼科学会新入会員の30%がサマーキャンプ参加者であったことが明らかになり、本事業が眼科医師増に貢献していることが示されました。今後も継続した検証が必要ですが、参加者のアンケート結果でも98%が「参加してよかった」と回答しており、また毎年定員を超す参加申込みがあるなど、医学生・初期研修医の間で浸透し高く評価されてきています。今後も第10回を目処に継続して開催することが決まっています。サマーキャンプ成功の裏には、ボランティアで参加してくださっている先生方と眼科関連団体・企業の方々、そして医療機器の提供など、多くの関係者のご協力があります。この場をお借りして改めて感謝申し上げます。

 眼科医療を取り巻く環境には国内外で難題が山積しており、素早く対応できる行動力と判断力が渉外の仕事には必要不可欠と考えます。私も渉外担当理事として、微力ながら日本の眼科医療のプレゼンス向上に寄与していきたいと考えています。日本眼科学会の渉外活動に関して、引き続き先生方のご指導とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

文献

1)吉冨健志:戦略企画会議から. 将来の眼科医数と年齢構成, 地域分布の動向予測. 日眼会誌121:559-562, 2017.

公益財団法人 日本眼科学会
常務理事 飯田 知弘

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