日本眼科学会:理事会から(121巻10号)
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理事会から

理事会から

 今年の4月から日本眼科学会保険理事を担当しています。この数年、前任の保険理事大橋裕一先生の下で社会保険に関連する仕事を分担していましたので、その経験を活かすことを期待して任命されたと思っています。

1.診療報酬改定について

 平成30年度が2年毎の改定になりますが、この5月には、診療報酬改定に向けて外科系学会社会保険委員会連合(外保連)の加盟学会は、厚生労働省に改定要望を提出しています。それを受けて「外保連ヒアリング」が去る8月20日に開催されました。今回は主学会として提出した7学会(日本眼科学会、日本眼科医会、日本白内障屈折矯正手術学会、日本緑内障学会、日本弱視斜視学会、日本網膜硝子体学会、日本角膜学会)が連携しながら、重点要求項目の説明が行われました。それぞれの学会で社会保険担当の先生が中心になって医療系の技官の方に主な要望項目について説明しました。今回も、担当の方が大変熱心に対応してくださり、多くの質疑応答が行われました。事前に、日本眼科医会とともに日本眼科社会保険会議で関連学会の担当の先生方と打ち合わせをして臨みましたので、ある意味、手は尽くしたという感じですが、関連する学会の先生方とともに、丁寧に対応していきたいと思います。

2.エビデンスの集積の必要性

 前回の改定に当たっても指摘されていますが、社会保険予算の抑制が大前提にあり、新たな診療報酬枠の獲得は必ずしも容易ではないようです。既存の技術と比較して、なにをもたらすことができるかのエビデンスを明確に示すことが求められています。そういう意味で、先進医療にいったん登録して、そこで実績を上げ、評価を得るという方法もあります。しかし、実際には、先進医療に「なじまない」ものも多く、新しい技術が素晴らしいことは、論文で示せても、それが、現実になにをどれくらい良くできるかを示すことは意外と難しいものです。以前から、要望書には、参考資料として、有用性を示す論文を添付することになっていますが、システマティックレビュー/メタアナリシス、ランダム化比較試験(RCT)を頂点とする格付けシステムでの評価が求められています(表1)。システマティックレビュー/メタアナリシスは一朝一夕ではできません。RCTからは確かに交絡する要因を排除した優れたデータが得られますが、対象を我が国の患者さんに限定しないと、日本の医療への貢献は示せないこともあり、限界もあります。手術技術となると、影響する要素が複雑に絡み合うことが多く、RCTにはもともと不向きな対象となります。また、急速な進歩がみられる現在の医療において、どうしてもRCTは時間と手間がかかるため、エビデンスが示されたころには、その技術を超えるものが現れてしまうこともあります。そうなると、比較試験に期待がいきます。日本外科学会は、ずいぶん前から専門医申請における実績証明のための手術症例登録システムを立ち上げて、『一般社団法人National Clinical Database』(NCD)を運用していますが、もう一つの側面として医療技術の評価に活用しています。そのあたりは外保連の親元の日本外科学会だけあり、さすがにぬかりがないようです。社会保険の立場からみると、眼科手術の技術評価において、低侵襲化を見事に遂げている網膜硝子体手術や緑内障手術などの全例登録のシステムは魅力的に見えます。一方で、医療ビッグデータの活用も気になります。すでにNational Database(NDB)として全国の医療レセプトや特定健診のデータを各保険者団体から集めた電子化されたデータが蓄積されています。平成23年度より、医療費適正化計画策定に資する目的で集められたものですが、それ以外の目的でもNDBデータの利用が認められ、有識者会議で承諾を受けた研究に対してNDBデータの第三者提供が開始されています。診療報酬のレセプト審査を長年やってきた私からみると、レセプト情報は、さすがにノイズが大きすぎて使えないかもしれませんが、DPCデータ、つまり「厚生労働大臣が指定する病院の病棟における療養に要する費用の額の算定方法」(平成20年厚生労働省告示第93号)を活用することで、RCTに匹敵するものが得られるのではと思うのですが、まだ具体的な画が思い浮かばないままではあります。

表1 「エビデンスのレベル」分類:質の高いものから

I システマティックレビュー/メタアナリシス
II 1つ以上のランダム化比較試験による
III  非ランダム化比較試験による
IV 分析疫学的研究(コホート研究や症例対照研究)による
V 記述研究(症例報告やケースシリーズ)による
VI 患者データに基づかない、専門委員会や専門家個人の意見

3.外保連試案の重視

 先ほどから繰り返し出てくる外保連の技術評価試案への対策も大切です。以前は、一つの目安くらいかなという位置づけでした。しかし、平成24年度からは、DPC病院群の設定の実績要件に外保連手術指数が用いられています。ここでは、詳しくは記載しませんが、高度な医療技術の実施がどの程度行われているかが重視されてくるため、眼科手術の技術度の評価と費用評価には妥協は許されません。ちなみに、技術度が最も高いE(表2)に相当するものは、保険収載されているものでは、羊膜移植術、網膜再建術、眼窩悪性腫瘍手術、毛様体腫瘍切除術・脈絡膜腫瘍摘出術などがあります。増殖硝子体網膜症手術や硝子体茎離断術、通常の水晶体再建術などはDになります。未収載のものですと、多焦点眼内レンズを用いる水晶体再建術はEとして評価されています。今後、様々な施策が外保連が行う評価を根拠に行われる可能性があります。日本眼科学会でもこの点を重視して、関連学会と密に連携をとって対応していきたいと思います。

 まだまだ、この領域は暗中模索の感がありますがどうぞよろしくお願いします。

表2 経験年数と技術度

第8版
分類
第8版
経験年数
対応する身分
A 1 初期臨床研修医
B 5 初期臨床研修修了者
C 10 基本領域の専門医
D 15 Subspecialty領域の専門医
もしくは基本領域の専門医
更新者や指導医取得者
E 15 特殊技術を有する専門医

公益財団法人 日本眼科学会
常務理事 村上  晶

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