日本眼科学会:新専門医制度の実施へ向けて(121巻12号)
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新専門医制度の実施へ向けて

 昨年の「理事会から」(第120巻3号)に、日本専門医機構の新専門医制度への期待と不安について書かせていただきました。当時、理事として専門医制度に携わっておりましたが、拙文を読み返してみると、どこか第三者的な立場で書いていたことに驚かされます。今年の4月から、石橋達朗委員長の後を受けて、専門医制度委員会委員長を拝命しました。10月10日から眼科専攻医の一次登録申請が正式に始まり、現在採用期間となっていますが、実際の運用に携わってみると、決して簡単な事業ではないことが分かります。新専門医制度については、様々な批判がありますが、一つの制度によってすべての問題の解決がなされることを期待するのは無理な話です。むしろ滞りなく施行して、問題点が明らかになればそれを順次改善していくことの方が現実的ではないかと考えております。

 さて、眼科新専門医制度の問題は、大きく2つに分けられます。一つは新しく眼科専門医を志向する専攻医の問題で、もう一つは現専門医の更新の問題です。

 一つ目の新しい専攻医の問題は、さらにいくつかに分けられます。専攻医の登録システムについては、最初はトラブルも出るでしょうが、いずれ解決される小さなものです。むしろより大きな問題は、優秀な眼科専攻医をいかにして集めるかということです。眼科医が減少すると、競争相手が減って良いという無責任な意見も聞きますが、眼科全体が縮小すると、眼科への資金や資源の配分が激減するので、良いことは一つもありません。眼科医を増やすことは、眼科医療や眼科医を守るためにきわめて重要なことなのです。若い医師の眼科への参入を促すには、眼科サマーキャンプのような事業を通じて、眼科の魅力を発信することは重要です。市中教育病院や、大学でも努力が必要なことは言うまでもありません。さらに大切なのは、眼科医自身の在り方です。昨今の若者が情報を取得したり拡散したりする能力は、我々の想像をはるかに超えています。日本眼科学会が、いかに眼科の素晴らしさを喧伝しても、現実の眼科が若者にとって魅力を感じるものでなかった場合、そのことは若者にダイレクトに伝わり情報は拡散します。つまり我々自身を改善していくことが必要です。一方、新専門医制度の立案のときから、都会への医師の偏在を防ぐことが、新専門医制度の最重要事項であるということが強調されてきました。日本眼科学会は、以前から医師偏在問題について真剣に取組んでおり、基幹研修施設に定員の上限を設けることで、偏在をなくすことに一定の成果を上げてきました。この方法は、他領域の学会でも眼科の成功例に学び取り入れられてきています。都会の大学からは、もう少し定員が増えないと研究に支障を来すという意見も出てきていますが、慎重な議論が必要です。

 二つ目の大きな問題である現専門医の更新については、別の観点から解決策が必要です。基本的には、一定期間内に定められた講習を受けて、自身の知識や技能をアップデートします。その証明がなされたら、専門医の更新ができるという考え方であり、現行の考え方と変わりがありません。ただし、更新に必要な講習が日本眼科学会総会だけでしか受講できないとすれば、現在1万人を超す更新登録者のすべてに対応することができません。こちらは、前述の専攻医登録の問題とは逆に、システムを作ることの方が重要です。限られた時間ではありますが、専門医制度生涯教育委員会が懸命に取組んでおり、平成30年から一部試行することを検討しています。

 新専門医制度は、複雑化しすぎた日本の専門医制度を整理して、医療の透明化を図るためには必要なこととされています。最も重要なことは、眼科の専門医制度は眼科医自身によって制度設計と運用がなされるプロフェッショナルオートノミーがなくてはならないということです。眼科専門医制度を外部が設計・管理した場合、実態にそぐわないとんでもないものになりかねません。例えば、医療に関係のない有識者から、基礎的知識は必要なはずだから、すべての医師が内科の試験を5年おきに受けるべきという意見が出たそうです。ここまで偏った意見は通らないでしょうが、我が国の眼科医療を理解しそれを支えて発展させるのは、眼科医自身であるという自覚は必要です。そして、新専門医制度の適切な運用と発展のためには、眼科医の協力が欠かせません。皆様のご理解とご協力を強くお願いいたします。

公益財団法人 日本眼科学会
常務理事 坂本 泰二

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