日本眼科学会:屈折矯正手術合併症の実態調査報告
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屈折矯正手術合併症の実態調査報告

 エキシマレーザー屈折矯正手術が次第に国民に認知されるにつれ、同時にその合併症に対する関心も高まってきている。折しも先日、東京のG眼科でレーシック術後感染症が多発した事件があり、マスコミに大きく報道されたところである。こういった状況を踏まえ、日本眼科学会では屈折矯正手術の合併症実態調査を行った。
 対象は専門医制度研修施設1,155施設で、2008年6月から2009年5月の1年間に受診した初診患者の中で、屈折矯正手術にかかわる合併症がみられた場合、その術式、手術施設名、合併症の内容、合併症の詳細と転帰について、ご回答頂いた。患者の個人情報は伏せた匿名調査とした。
 その結果、61施設から114症例の回答があった。大きく報道された東京のG眼科で手術を受けたものが52症例、その他の施設で手術が行われたものが62症例(屈折矯正手術に関係すると思われるもの48例、関係しないと思われるもの14例)であった。内訳は表のごとくで、G眼科では感染症が43例と多数を占めており、かつフラップ下洗浄やフラップ切除が必要となるような重篤なものも多数含まれていた。角膜混濁に伴う視力障害のため、角膜移植が検討されている症例もみられたが、調査時点で治療継続中の症例が多く、最終的な転帰については不明であった。
 一方、その他の施設では感染症は14例と少なく、その程度も大多数が比較的軽度であった。感染症以外の合併症も重篤なものは少なく、全般的に予後は良好であった。

表1 G眼科
感染症 43
角膜混濁 6
フラップの不具合 1
上皮迷入 1
不正乱視 1

表2 その他の施設
手術に関係すると思われるもの
感染症 14
フラップの不具合 10
不正乱視 8
角膜混濁 6
上皮迷入 3
ドライアイ 3
角膜拡張症 2
角膜上皮障害 2
手術に関係しないと思われるもの
網膜剥離 7
網膜裂孔 1
黄斑前膜 1
ぶどう膜 1
その他 4

 屈折矯正手術に伴う角膜感染症の発生頻度は5,000例に1例程度とされ、多くの場合、白内障術後眼内炎と同様に、病原体は外眼部の常在細菌叢に由来する。先のG眼科においては、昨年の9月から今年の1月までにレーシックが施行された639例中、67例という高率で角膜感染症が集団発生しており、きわめて異常な事態と言わざるを得ない。歴史を振り返れば、類似の集団発生は2000年代前半の米国において認められているが、主要病原体は環境菌である非定型好酸菌で、手術周辺機器の不十分な滅菌が原因とされた。今回のG眼科のケースにおいても、この非定型好酸菌がかなりの頻度で分離されており、背景に周術期感染予防対策の不備があると推測される。
 日本眼科学会では、この事件を重く受け止め、エキシマレーザー手術のガイドラインを今一度見直すとともに、会員および眼科医療従事者に対する啓発活動を一層強化することとした。なお、今後も定期的に調査を行い、合併症の動向を追跡していく予定である。

屈折矯正手術に関する委員会


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