
■赤ちゃんの視力
生まれたばかりの赤ちゃんは、目を動かす筋肉や視力が未発達であるために、目の位置が安定していないのが普通です。生後2〜3ヶ月くらいになると少しずつ母親のことをじっと見つめたり、物を目で追うことができるようになり、目の位置も安定してきます。
■斜視とは
物を見ようとする時に、片目は正面を向いていても、もう片目が違う方向を向いてしまっている状態が斜視です。片目が正常な位置にあるときに、もう片目が内側に向いてしまっている状態を内斜視(図1)、外側に向いてしまっている状態を外斜視(図2)、上側に向いてしまっている状態を上斜視、下側に向いてしまっている状態を下斜視といいます。常に斜視が存在する場合(恒常性斜視)と、時々斜視の状態になる場合(間歇性斜視)とがあります。また、生まれた直後から斜視が明らかに存在する場合と、成長してから目立ってくる場合とがあります。大人でも眠かったり酔っていたりすると目の位置がずれることがありますね。お子さんも寝起きなどにちょっとずれる程度は問題ありません。
| 図1.内斜視 |
図2.外斜視 |
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■偽斜視
赤ちゃんは鼻の根元が低くて広いために、あたかも内斜視のようにみえることがあります。見かけ上のものであり、本当に斜視があるわけではないのでこれを偽斜視といいます。成長に伴い顔立ちがはっきりしてくると目立たなくなります。
■斜視の原因
斜視の原因としては、目を動かす筋肉や神経の異常によるもの・遠視によるもの・目の病気によるもの・脳の病気によるもの・全身の病気に伴うものなどがあります。ほとんどは目を動かす筋肉や神経の異常によるものや遠視によるものです。斜視の原因を探るために、全身検査を行ったりMRIなどの検査を行ったりすることもあります。
■弱視とは
弱視とは眼鏡をかけても視力が上がらない状態のことをいいます。弱視になる原因のひとつに斜視があります。斜視があると、ものが二つに見えたり、ずれた側の目でみる像がぼやけて見えるなどの理由により、お子さんが無意識のうちにその目を使わなくなって視力の発達が妨げられてしまいます。
■斜視の治療
斜視の種類や年齢に応じて治療法も異なりますが、治療の目標は大きく3段階に分かれます。
まず一番大切なことは、両目の視力をよくすることです。斜視ではずれている方の目が弱視になっていることがあり、これを改善してあげることが斜視治療の第一歩です。
次に、目の位置をまっすぐにしてあげることです。眼鏡を使用するだけでまっすぐになることもありますが、場合によっては手術を必要とします。斜視の種類によって、手術が必要かどうか、何歳のときにどのような手術を行うかなどが異なります。
最後の目標は、両方の目で物を見る力を獲得することです。両方の目で見たものを、脳で一つの像にまとめる機能を両眼視といいます。両眼視機能によって見た物が立体感をおびたものになります。斜視の種類によっては、早期からきちんと治療を行っていても両眼視の獲得が難しいことがあります。
■さいごに
御両親はお子さんの一番よき観察者です。また、お子さんは見えない世界にすぐ順応できてしまうこともあり、見えないという症状を自分から訴えることはあまりありません。なにか気になる症状があれば、必ず眼科を受診してください。
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