日本眼科学会:目の病気 屈折矯正手術
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屈折矯正手術

はじめに
 近視や遠視や乱視は、「近視・遠視・乱視」で説明しているように、目の屈折が正視よりずれることで起こります。屈折のずれを直す屈折矯正(あるいは、視力矯正)としては、眼鏡が一般的で最も古く、戦国時代にザビエルによって紹介されたと伝えられています。今日では、軽量なプラスチック製のレンズをはじめ、像のゆがみを少なくする非球面レンズも一般的となっています。20世紀に入るとコンタクトレンズが使用されはじめるようになり、眼鏡と同様に広く普及するようになりました。現在でも眼鏡とコンタクトレンズは最も一般的な屈折矯正手段であることに違いはありません。
 屈折矯正手術は眼鏡やコンタクトレンズを使わず、手術的に近視や乱視を矯正する方法です。当初はメスを使用する方法が用いられていましたが、最近では、主として近視の矯正を行うため、特殊なレーザー(エキシマレーザー)を使って角膜の屈折力を調整して視力を回復するレーザー屈折矯正手術が開発され、特に、LASIK(laser in situ keratomileusis)は年々手術を受ける人が増えています。さらに、高度な近視や遠視を矯正するために、眼内にレンズを挿入するフェイキック(有水晶体)眼内レンズも使われています。

エキシマレーザーとは
 レーザー屈折矯正手術に使用されるレーザーは、エキシマレーザーといわれるもので、フッ素・アルゴン・クリプトンといった混合ガスを用いて、目に見えない非常に波長の短い紫外線(193 nm)のレーザー光を出力します。エキシマレーザーは、半導体製造など精巧な加工が必要な分野で使用されています。目の中でも屈折力の高い角膜にレーザー光を照射し、角膜の組織を削り取り、人為的に角膜の屈折力を変えるのが屈折矯正手術の目的です。例えば、近視の場合では、眼鏡と同じように凹レンズの形にレーザーで削ります。エキシマレーザーの特徴は、角膜を精密に削ることができるだけでなく、熱を出さないので周りの細胞に損傷を与える心配がないことです。コンピュータ制御のもと、角膜を正確に削り取って治療します。

エキシマレーザーを用いた屈折矯正手術の種類
 エキシマレーザーを用いた屈折矯正手術には、PRK(photorefractive keratectomy)と、最近よく知られているLASIK(レーシック)があります。
 PRKは、角膜表面からレーザーを照射して、角膜の上皮を除去して屈折矯正を行う方法です。手術後、角膜上皮が再生されるまで多少痛みがあり、目標とする視力になるまでに数週間から数か月かかります。格闘技など激しい活動をされる場合、LASIKではフラップが外れる可能性があるため、PRKを行います。
 一方、LASIKは、まず、マイクロケラトームという器具やフェッムト秒レーザーを用いて角膜表面近くを薄く切って蓋状のフラップを作ります(図1)。フラップを開けて角膜のなかにある「実質」と呼ばれる部分にレーザーを照射します(図2)。レーザーの照射後はフラップを元の位置に戻します(図3)。戻されたフラップは角膜の持つ陰圧のために吸いつくようにくっつきます。LASIKは角膜のフラップの下で屈折矯正を行い、角膜の傷はフラップを作るときのみなので、手術時とその後の痛みは少なく翌日から数日程度と早く視力が回復します。現在の屈折矯正手術の9割以上がLASIKによって行われています。

図1.フラップ作製 図2.レーザー照射 図3.フラップを戻す

 最近では、手術前に見え方を劣化させる収差を測定し、その収差を少なくするようにLASIKを行い屈折矯正するwavefront-guided LASIK(ウエーブフロントレーシック)が開発されました。光は波が進んでいるように表すことができます。本来は、目の中で光の波が揃ったまま進んでほしいのですが、角膜や水晶体でこの波が乱されると収差が生じます。そうすると、度数はあっているのに、ぼやける、かすむなどの見え方が悪くなります。この収差は、波面収差センサーで測定することができます。事前に測定した波面収差を使って、手術後の収差をできるだけ小さくするように個々の目にカスタムメイド照射するのが、wavefront-guided LASIKです。

LASIK治療の現状
 日本では1998年にエキシマレーザー装置が医療器具として認可され、販売が許可されました。PRKは2000年1月に、LASIKは2006年10月に、それぞれ厚生労働省が承認しています。レーザー屈折矯正の治療には保険が適用されません。これは、眼鏡やコンタクトレンズが保険でないのと同じ理由によります。治療費は施設により異なりますが、片目につき大体10万〜30万円の出費が必要です。
 手術前に検査を行い、LASIKなどが適しているかを調べます。検査前にある期間、コンタクトレンズを装用しないことが必要となります。手術時間は40分程度で、日帰りで行います。ほとんどの場合、視力は手術をした翌日から回復します。視力が安定するには1週間から1か月程度を要し、近視の強さによりますが、90%以上の人が裸眼視力1.0以上に回復します。治療後の視力の回復が不十分な場合、再手術や、眼鏡やコンタクトレンズによる矯正の追加が必要になることもあります。
 LASIKは手術ですので100%成功するとは限りません。近視が残ってしまったり、矯正しすぎて遠視になってしまったり、フラップが手術後ずれたり、感染したりすることも報告されています。これらの合併症は、非常にまれですが、手術後も、眼科専門医の指導に従ってきちんと点眼を行い、定期的な検査を受けることは非常に大事です。

LASIKを受けたいとお考えの方に
 18歳以上であり、近視の度数が過去1年間安定していることが必要です。術前の屈折異常の程度によっては手術が受けられないことがあります。また、目に別の病気があるときや、全身の病気を持っている場合も手術を受けられない場合がありますので、手術の適応は慎重に判断されます。LASIKを希望する方は、日本眼科学会(主催あるいは指定)の講習を受けて屈折矯正を行っている眼科専門医のもとで事前に検査を受けて、よく相談してから判断してください。LASIKで最も大切なことは、手術をした後も続けて経過観察をしっかり受けて、必要な治療を受けることです。特に術後の治療のための点眼は手術を受けられたご本人が行うことになりますので、ご自身できちんと管理されることが術後の感染予防のためにとても大切です。

フェイキック眼内レンズとは
 目の中でレンズの働きをするのは、角膜と水晶体です。レーザー屈折矯正手術では、角膜を削って屈折の補正を行いますが、度数の高い近視では深く角膜を削ることが必要となり、術後に角膜突出が発症する可能性が高くなります。そこで、角膜と水晶体の間にレンズを挿入する眼内レンズが開発されました。白内障の治療で使われる眼内レンズとは違って、水晶体を除去しないで挿入されるので、フェイキック(有水晶体)眼内レンズと呼ばれます。現在、よく使用されているフェイキック眼内レンズは、虹彩に固定するタイプ、虹彩と水晶体の間に入れるタイプ、角膜と虹彩の間に固定するタイプなどがあります。6 D超える度数が高い近視でもLASIK以上の良好な視力を得られることが海外で報告され、国内でも承認されています。長期の安全性については評価中ですので、使用する場合には専門の眼科医とよく相談して判断してください。

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