日本眼科学会:目の病気 アレルギー性結膜疾患
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アレルギー性結膜疾患

アレルギー性結膜疾患とは何か
 アレルギー性結膜疾患は目に起きるいろいろなアレルギー疾患の総称です。アレルギーにはこのほかに、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などがあります。からだの中で、それぞれ病気の起こる部分はさまざまですが、そのメカニズムはほぼ共通です。アレルギーは、からだに外から異物が入ってきたときに起こる「免疫反応」の一つですが、細菌やウイルスなどの病原微生物に対して生じる反応との大きな違いは、本来無害なものに対してからだが過剰に反応したものがアレルギーであるということです。例えば、スギやブタクサの花粉はそれ自体に毒性があるわけではないのですが、飛び散った花粉が目や鼻から体内に入ると、それにからだの中の「好酸球」という白血球の仲間の細胞が反応して、かゆみやくしゃみなどのアレルギー反応を起こす粒を血液の中に放出してアレルギー特有のいろいろな症状が現れてきます。アレルギーの原因はまだ分からないことが多いのですが、最近の大きな環境の変化、例えばディーゼルエンジンによる大気汚染や密閉した住まいにダニが増えていることなどが原因ではないかと考えられています。また、アレルギーになりやすい体質は遺伝しやすいこともよく知られています。後に述べるように、目はアレルギーが起こりやすい臓器です。目のかゆみやゴロゴロする感じ(異物感)が主な症状で、涙が出たり、目やにが出ることもあります。非常に症状が強い場合には、仕事や学校などの日常生活にも支障を来すことがあります。近年増加しているアトピー性皮膚炎に合併する目のアレルギー性炎症は、後で述べるように視力を侵す場合もあり、しばらくすれば治るとばかりはいえないものもあり、注意が必要です。

増えているアレルギー性結膜疾患
 アレルギー性結膜疾患のなかでも花粉症、とりわけ春先に生じるスギ花粉症は、毎年非常に多数の方が発症します。花粉症の目の症状を花粉性アレルギー性結膜炎と特に呼んでいますが、アレルギー性結膜疾患の患者さんの約85%は花粉性アレルギー性結膜炎と推定されています。日本眼科医会の調査では目のかゆみを感じたことのある方は約20%、医師によって「アレルギー性結膜炎」と診断されたことのある方は約15%もいることが報告されており、我が国では約2,000万人のアレルギー性結膜炎の患者さんがおり、その大半は花粉症によるものであると推測されています。花粉症の原因はスギだけではなく、カモガヤなどのイネ科の雑草や、ヨモギ、ブダクサ、ヒノキなどによる花粉もあり、一年中を通して何らかの花粉が空中を飛んでいることも事実です。アレルギー性結膜疾患にはそのほかに、アトピー性角結膜炎、春季カタル、巨大乳頭性結膜炎という3つの疾患が含まれています。これらはアレルギー性結膜炎に比べるとはるかに少ないですが、いずれも治療の難しい疾患です。このうち、アトピー性角結膜炎はアトピー性皮膚炎の方にみられる慢性結膜炎を指し、春季カタルは上まぶたの裏側に巨大な乳頭というものがみられ、幼稚園児から小学生の男の子に多い特徴のある疾患です。どちらもアトピー性皮膚炎の患者さんが増加してくるのに伴って最近増加していると考えられています。アトピー特有の問題も目の症状に関連しており、後で述べるように、長期的な管理が必要です。

アレルギー症状が目に多い理由
 例えば花粉症は目以外の部分にもアレルギー性鼻炎などの症状が現れますが、目は非常にアレルギーの症状の出やすい場所です。それにはいくつかの理由が考えられます。第一には結膜という部分は直接外界に接しており、抗原が入りやすいことです。第二には、入ってきた抗原成分の中でも、からだとの反応を生じる抗原の蛋白質が目を常に潤している涙液によって溶かされやすい性質があります。第三には、結膜には実際のアレルギーの反応を引き起こす免疫細胞がたくさんあり、血管もたくさんあるためにからだのほうから、次から次へと炎症を起こす細胞が入り込みやすい、といった点が挙げられます。アレルギー以外の原因で起こる結膜炎、例えばウイルスによって起こるはやり目の際にみられるように、目が赤くなるのは、この血管がたくさんあることによって起きているものです。ただし、抗原は目に直接触れる以外に鼻を通して吸い込むことによってもからだに入り、全身のアレルギー反応の結果、目に症状が出ることも少なくありません。

アレルギー性結膜疾患の症状
 目のアレルギーの症状としては、かゆみが最も代表的なものです。目そのものがかゆく感じる場合もありますが、まぶたやまぶたのふちなどの部分に特にかゆみが現れやすく、かけばかくほど症状が強くなることもあります(図)。これは、アレルギー反応の特徴ですので、適切な治療によってかゆみを止めることが必要です。次に多いのはごろごろした感じ、「異物感」というものです。アレルギーの反応によってまぶたの裏側の結膜に粒状のもりあがりができますが、これが、まばたきの際に黒目(角膜)と接触することによって生じる症状です。小さなゴミが入ったように感じることもあります。そして、場合によっては黒目に傷がつくこともあります。涙もよくみられる症状です。目やには、はやり目に比べると多くはありません。一般的に、ある季節に毎年起きること、程度の差はあっても両方の目に生じることもアレルギー性結膜疾患の特徴です。一方、春季カタルなどの重症例では、さらに角膜の合併症によって目に痛みを生じたり、角膜の濁りのためにものが見えにくくなる状態(視力低下)を引き起こすこともあります。角膜の混濁のなかには治療を行ったにもかかわらず、白い濁りが残ることもあります。このような永続的な角膜混濁には現在のところ、残念ながら角膜移植のほかには有効な治療法がないのが現状です。

アレルギー性結膜疾患の治療
 目のアレルギーの治療には抗アレルギー薬という薬が、主として用いられています。これは、先ほど述べたアレルギー反応の中で、かゆみやくしゃみなどを引き起こす指令を伝える物質が細胞から血液に出てこないように抑える薬です。通常、目薬として使用します。症状が強い場合は、副腎皮質ステロイド薬も用いられることがあります。ホルモンの薬である副腎皮質ステロイド薬は、適切に使用すればとてもすぐれた薬ですが、目に緑内障などの副作用が現れることがあるので、使用にあたっては注意が必要です。それでも、強いかゆみなどで日常生活や仕事に差し支えがある場合は、抗アレルギー薬を飲み薬として服用することもあります。最も重症な春季カタルには、臓器移植の拒絶反応を抑えるための薬である免疫抑制薬の目薬も使われます。以上のような治療法は、症状を鎮めるための「対症療法」というものですが、これに対しアレルギーのもとを抑える治療(「原因療法」)に減感作療法があります。原因となる抗原が検査で分かっている方に対し、その抗原を低い濃度から徐々に高い濃度まで時間をかけて注射することによって、からだが反応しないようにならす方法です。ある程度の効果のあることは分かっていますが、最低半年間、毎週通院する必要があります。そしてさまざまな抗原、例えばダニやハウスダストなどによってアレルギーが起こる方にも行える方法です。

アレルギー性結膜疾患の予防
 花粉症の場合は、症状の出現しやすい季節にできるだけ花粉と接しないように工夫することが重要です。ゴーグル型の眼鏡や花粉防止用のマスクの着用が最も効果的です。花粉が飛びやすい日は外出や洗濯物などを外に干すことを避けたり、外出から帰宅したときには服についた花粉を十分に落とすようにしましょう。目を洗うことは目を傷つけてしまうこともあるため、あまり勧められません。洗顔して目の周りを洗うことはよいでしょう。ハウスダストの場合は、部屋の清潔を心掛けたり、寝具を干したりするのも効果的です。また動物を屋内で飼うことは避けたほうがよいでしょう。

おわりに―目のアレルギーと私たち
 ここまで述べてきたように、結膜アレルギーは全身のアレルギーの一部であると同時に、目という臓器に特有の特徴がみられます。時期が過ぎれば治るものだけでないものや専門医の治療を受けないと視力障害を残す可能性のあるものまでさまざまな程度の病気があることもぜひご理解いただきたいと思います。体質だから仕方ないとあきらめたり、逆に簡単に考えずに、人生を快適にそして豊かに過ごすためにも、目のアレルギーを十分知って、つきあっていくことが現代人には大切なことだといえるでしょう。

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