日本眼炎症学会TNF阻害薬使用検討委員会
I 使用指針の目的
2007年にインフリキシマブがBehçet(ベーチェット)病による難治性網膜ぶどう膜炎に、また2016年にアダリムマブが非感染性ぶどう膜炎の治療薬として認可された。これら腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor:TNF)阻害薬は優れたぶどう膜炎抑制効果が期待できる薬剤であるが、使用中は重篤な感染症をはじめとした有害事象に対して留意が必要な薬剤である。本使用指針は関節リウマチなどの市販後調査結果や使用成績報告、さらには他領域における使用経験をもとに、TNF阻害薬投与中の有害事象の予防・早期発見・治療のための対策を提示した。ぶどう膜炎の治療に精通した眼科専門医が、添付文書に記載されている注意事項を遵守して適正に使用することを目的に作成したものである。(日眼会誌123:697-705,2019)