日本眼科学会:理事会から(122巻3号)
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理事会から

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 平成29年の4月より理事として活動させていただいています、理化学研究所の高橋政代です。理事会に参加させてもらってから、いかに理事の皆様が日本の眼科の質を維持するため、さらに発展させるために尽力されているかを肌で感じ感服しております。眼科への愛情がないととてもできないことだと思います。さて、まだ理事会での日が浅い初回は私の得意な臨床研究の法律分野のお話を書きます。

 ご存知の方も多いと思いますが、平成29年4月7日、臨床研究法が成立し、今年4月から施行されます(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000163417.html)。市販後の治療薬について効果を調べる臨床研究に製薬会社の社員が分からないように関わり、臨床データを改ざんしていた、いわゆる「ディオバン事件」等がもととなり制定された法律です。製薬会社が資金提供する臨床研究について、研究を行うアカデミア側には、第三者委員会による研究計画の審査と厚生労働大臣への報告等が、製薬企業には契約締結と、資金提供の情報等の公表が義務づけられました。

 企業との関係の透明性と臨床データのモニタリングや監査等、治験並みのコントロールを求められるために、アカデミアで行う臨床研究のハードルが高くなると考えられています。ただ、一方で、企業と適切に契約し、企業の関与を公表することで企業からのサポートで行う臨床研究にお墨付きをもらえるという側面もあります。

 臨床研究には「観察研究」と「介入研究」があります。また、介入研究の中にも市販後の効果効能を追加検証するための臨床研究治療開発や適応拡大のための臨床研究があります。再生医療に関しては後者ですが、日本は世界に先駆けて法律を整備し、臨床研究で行う場合の再生医療等安全確保法を、治験のための薬機法(これも薬事法に再生医療の新しい章を追加した新しい法律)と分けて制定しました。つまり再生医療ではすでに臨床研究を正式なトラックとして認め法整備がなされていましたが、これまでディオバン事件等と一緒くたにされて、first in humanの再生医療を臨床研究で行うのはけしからんと的外れな妨害がありとても苦労しました。

 今回の臨床研究法は、再生医療以外の臨床研究の中で、観察研究や手術手技等の臨床研究ではなく、「特定臨床研究」といって未承認・適応外の医薬品等の臨床研究製薬企業等から資金提供を受けた医薬品等の臨床研究について適用されます(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000179678.pdf)(図)。再生医療等安全確保法もそれに合わせて一部改定されます。

画像をクリックするとPDFをダウンロードします

 これらの特定臨床研究を行うためには、(1)研究実施者が実施計画を認定臨床研究審査委員会に提出、(2)認定臨床研究審査委員会が実施計画を審査、(3)厚生労働大臣に実施計画を届出(認定臨床研究審査委員会の意見書を添付)。これらの段階を経て研究実施者が特定臨床研究を実施します。

 特定臨床研究では、企業の資金について研究費、寄附金をはじめ、原稿執筆料・講師謝金等の開示が義務づけられました。その他にも利益相反に関して、臨床試験の責任医師はその会社の株を5%以上保有していないこと、等条件が提示されていますが、欄外にこれらの条件でもそれぞれのプロジェクトについての例外はありうると記載されています。また、厚生労働省に聞くと、再生医療等では臨床研究の段階から企業が参入していることが望ましく、臨床研究用の細胞製造を企業が行ってもよいのかという質問には「むしろそれを推奨する」という答えが返ってきました。つまり、本質を考えると、研究費も税金であり無尽蔵ではありませんので、医療をより良いものにするためであれば、企業との関わりを適切に契約し、公表することによって、民間の資金を利用することは推奨されているわけです。もちろん、そのために臨床データ等の改ざんがないようにしっかりとしたモニタリングや監査が必要です。しかし、大抵の機関では利益相反があってはいけないことであるとして運用されることが危惧されるため、日本再生医療学会では高い透明性を持って産学連携を推し進めようという提言を学会から出す準備をしています。利益相反はあってはいけないのではなくどうマネージするかです。

 誤解に基づき、企業との臨床研究は厳しいと萎縮することなく、より良い治療を生み出し行っていくことが我々の使命です。資金の少ないアカデミアですから、どんどん企業にその気になってもらって日本発の臨床研究を進めることが日本の眼科の発展のために必要であり、この法律はそのためのものであると理解していただければと思います。

公益財団法人 日本眼科学会
理事 高橋 政代

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