日本眼科学会:利益相反の考え方(122巻9号)
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利益相反の考え方

 私は日本眼科学会(日眼)利益相反委員会の委員長を拝命しておりますので、日眼における利益相反の考え方について基本的な解説を行わせていただきます。

1.利益相反とは

 日眼は学術団体であり、その活動は「眼科学の進歩発展を図り、もって人類・社会の福祉に貢献する(定款第3条)」ことを目的に行われています。日眼の活動が外部(一般社会、眼科以外の研究者・医療関係者、患者、行政機関、企業、他)とのかかわりを持ち、また、高い倫理性を基盤としていることから、日眼で活動する個人は後述する状況に応じて利益相反の申告が必要とされています。この場合の利益相反とは、「日眼会員(個人または所属組織)の利益になるが日眼・社会の利益にならない行為」と解されます。卑近な例として、日眼会員Z氏が特許権を有する機器の有用性を論じた論文を日眼会誌に執筆する際に特許権を有する事実を申告しなかったと仮定してみます。論文内容が評価されればZ氏は金銭的あるいは社会的な利益を得る可能性があります。しかし、特許権保持の情報が提供されなかったことで査読の過程ならびに発刊後に論文の評価が本来あるべき評価以上に良好とされた可能性があり、そのことで社会には不利益が発生する可能性を生じます。また、日眼あるいは日眼会誌は論文評価に必要な情報を提供しなかったという批判を浴びる可能性があります。そうなると、日眼にとってもZ氏にとっても歓迎のできない事態です。こうした事態を未然に防ごうとするのが、利益相反の開示の基本的な考え方です。ここで注意しておきたいのは特許権を得ることやそれから金銭的利益を得ることはまったく問題のない行為であることです。問題の核心は日眼会誌の読者や査読者が正当な研究成果の判断を行うのに必要な情報が与えられなかったことにあるのです。

2.具体的には

 日眼関連では利益相反申告の必要なときは以下の状況です。
 (1)日眼総会と日本臨床眼科学会(臨眼)における研究発表・学術講演
 (2)日眼会誌への投稿
 (3)JJOへの投稿
 (4)役員・各種委員会委員長への就任

 利益相反申告の内容は、カテゴリーでは7種類に、金額では4クラスに分けられています。カテゴリーは、F(Financial Support):経済的支援【研究費など企業からの支援】、I(Personal Financial Interest):個人的な経済利益【企業への投資者】、E(Employee):【企業の従業員】、C(Consultant):【現在または過去3年以内に企業のコンサルタント】、P(Patent):【特許権】、R:【企業からの報酬】があり、すべて該当しない場合にカテゴリーN(No Commercial Relationship)が付されます。カテゴリー開示とともに関係企業名の開示も求められます。金額のクラス分類は50万円と500万円を境とする3クラス(クラスII、III、IV)と0円(クラスI)があります。

 ご注意いただきたいのは、日眼総会と臨眼における演題応募時あるいは日眼会誌やJJOへの投稿の際には金額の多寡に関係なくすべての利益相反申告が必要なことです。日眼総会と臨眼における講演あるいは日眼会誌発刊の際には、F、C、Rでは金額で500万円を超えるクラスIVだけが公表されることになっていますので、応募時のルールとは異なっていることになります。また、JJO発刊時には金額にかかわらず公表されることになっています。もう一つ誤解が多いのが研究内容との関連です。確かに以前は発表内容に関連した利益相反申告だけで済んだ時期もありますが、現在では発表内容に関係なくすべてを報告することになっています。

3.ペナルティは?

 現在は論文の科学的内容は掲載水準に達していると考えられるものであっても利益相反申告が不適切であると論文が不採用となる時代です。不適切な利益相反申告をした場合には開示義務を有する日眼会員に不利益がもたらされることがあると考えておくのがよいと思います。日眼利益相反委員会では、逸脱事例に対して、(1)報告内容の修正、(2)学術集会における発表の禁止、(3)論文掲載の差し止め、(4)学会内での委員資格の停止または解任、(5)日眼会員の資格の停止または除名、というペナルティを用意しています。私自身は、これらのペナルティは科すためのものではなく、一種の抑止力として機能するものと期待しています。

4.おわりに

 繰り返しになりますが、会員諸氏が利益相反の状況にあることはなんら問題のないことです。そのことをしっかりと頭に入れていただき、正確な利益相反申告がなされることを願っております。

 なお、本稿では解説のため、利益相反に関する基準の文言を一部簡略化してあります。正確を期する場合には、日眼ホームページなどに掲載されている正式な文章をご参照いただきますようお願い申し上げます。

公益財団法人 日本眼科学会
理事 山本 哲也

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