お知らせ

2020/03/24
会員の皆さまへ

ヒドロキシクロロキン(プラケニル錠®)の眼科定期検査および副作用調査への協力のお願い

日本眼科学会会員 各位

公益財団法人日本眼科学会

 ヒドロキシクロロキン(免疫調整剤プラケニル錠® 200mg)は、「皮膚エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス」の治療薬で、症状の改善のみならず患者さんの生命予後を改善することから、世界的にもエリテマトーデスの標準治療薬と位置付けされている重要な薬剤です。日本においては、過去にクロロキンで生じた薬害(クロロキン網膜症)が原因で、その構造類似体であるヒドロキシクロロキンは長きにわたり開発申請されることはなく、患者さんは標準治療薬を使用できない状態が続いておりました。近年漸く、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を経て、2015年9月にサノフィ株式会社により発売に至りました。
 ヒドロキシクロロキンはクロロキンと比較すると網膜毒性は低く、網膜症に至ることは稀であると報告されております。しかし、長期投与ならびに累積投与量の増加に伴い網膜障害の発生率が高まるため、投与に際しては網膜障害に対して十分に対応できる眼科医と連携のもと、ヒドロキシクロロキン投与開始時ならびに投与中は定期的に眼科検査を実施することが義務付けられています。また、今後日本でもヒドロキシクロロキンの長期服用患者さんの増加に伴い、ヒドロキシクロロキン網膜症を発症する患者さんが現れるものと推察されます。
 本件については、(各都道府県等衛生主管部(局)長および)日本眼科学会、日本網膜硝子体学会を含む関係学会代表者宛に、平成27年7月3日に厚生労働省医薬食品局審査管理課長ならびに厚生労働省医薬食品局安全対策課長より注意喚起が発出されました。これらに伴い、日本眼科学会では「ヒドロキシクロロキン適正使用のための手引き」(日本眼科学会雑誌第120巻6号419-428)も発表しています。
 これらの状況を鑑み、会員各位には、
 1)ヒドロキシクロロキン投与に伴う投与前および投与後の定期眼科検査へのご協力
 2)定期眼科検査結果の処方医へのフィードバックへのご協力
 3)ヒドロキシクロロキン投与患者で網膜症を含む眼科的有害事象が生じた場合のサノフィ株式会社への副作用報告ならびに詳細調査依頼へのご協力
 を何卒よろしくお願い申し上げます。