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Q2 眼科を選んで良かったことは?
A2:マイクロサージェリーの面白さや、外科的なことも内科的なこともできることなどたくさんありますが、一番は患者さんのQOL向上が目に見えて分かることです。例えば、白内障で目が見えなくなった患者さんの水晶体を摘出して、眼内レンズを挿入した後に、また見えるようになったと感激されることで日々やりがいを感じられます。今後の高齢化社会においても転倒の防止や認知機能が向上することで社会貢献となります。また、患者さんにとって視覚障害はうつ病の原因になりうる文献1)ほど深刻なものです。視覚障害を予防、治療することで、いつまでも人生の喜びを感じてもらう大きな助けとなれます。
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Q3 眼科医として一人前になるまでにどのくらい必要?
A3:2004年から新しい医師臨床研修制度が導入されましたので、医学部を卒業して2年の初期臨床研修を修了してから眼科を専攻する方がほとんどだと思います。基本的な医師としての研修は修了しているのですぐに眼科臨床研修がはじまります。
眼科専門医取得までには2年の初期臨床研修修了後、4年の眼科臨床研修が必要です。それから、眼科の中でも自分が専門とする領域(例えば角膜疾患を専門にする眼科医)を決めて、さらに掘り下げて勉強するのに3年は必要ですから、だいたい卒後10年くらいが目安でしょうか。でも、眼科の学術、治療、手術、それに医療機器は日進月歩ですから生涯教育はとても重要です。これは何歳になっても自身の知識の習得や技術の向上を実感できるということでもあります。
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Q4 眼科医の進路は?
A4:代表的な進路は4つあります。1つ目は大学で研究、教育、臨床すべてに携わる方法です。もちろん大変な道ではありますが、その分だけ得るものも大きいと思います。2つ目は市中病院で勤務して臨床に集中する方法があります。眼科は救急が少ない方ですから、ワーク・ライフ・バランスが良いといわれています。もちろん、臨床研究の成果を学会や論文で発表することもできます。3つ目は開業して、経営者としてやっていく方法です。眼科医として多くの患者さんに触れることはもちろん、経営者として経営方針を決めていくという手腕が問われます。この3つが眼科専門医として活躍されているほとんどの方の進路です。最後に研究職です。大学の研究室や国の研究所のほかに、企業にも研究職のポストがあります。病因解明や新しい治療法を確立して、未来の患者さんに役立つ仕事です。その他国内で臨床しながら発展途上国で海外ボランティアとして活躍されている方など眼科医として進む道は多種多様です。
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Q5 眼科での女性医師の割合は?
A5:日本眼科学会医師会員の約40%が女性です。臨床家として、研究者として、教育者として多くの女性が活躍しています。眼科は外科系の中では比較的体力を必要としない診療科で、手術は主に座って行い、短時間であることが多く、手術が終わらなくて保育園に子供を迎えに行けないということも起こりにくいです。
また、眼科には、診断、内科的治療、レーザーやマイクロサージェリーなどの外科的治療など、重心を置く場所がいくつもあるので、ライフステージやライフスタイルに合わせて仕事をしやすいといえます。
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Q6 勤務医と開業医の割合は?
A6:眼科は他科に比べて勤務医の割合が少ない診療科です。医師全体では勤務医は全体の67%ですが、眼科医の勤務医は36%です2)。眼科専門医に限定すると勤務医が34%、開業医が66%となっています。
文献2)厚生労働省:平成30年医師・歯科医師・薬剤師調査
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Q7 眼科の研究は?
A6:眼には様々な組織があり、疾患も幅広い領域にまたがっていますので、研究にも様々な方向があります。眼科では再生医療のような最先端の基礎研究もいち早く臨床応用されています。また、日本発の学術論文数は、米国に次いで世界第2位で3)、我が国の眼科は世界トップレベルです。
文献3)大庭紀雄:眼科学研究の計量書誌学的検討.日眼会誌109:115-125,2005