眼科専門医の魅力

わが国は、医学部を卒業し、医師国家試験に合格し、2年間の臨床研修を修了して初めて臨床医として認められます。皆さまは、「国民の健康を守る」という尊い目標に向かって現在も研鑽を積んでいることと思います。そしてこれからそれぞれの専門診療科にフォーカスして臨床・研究という新たな体験や知識・技術の習得を通して自分を高めるという、やりがいのあるステージに入ります。ぜひとも可能性が無限に広がっている大海原で自分の思う唯一無二の航路を進んでほしいと願っています。
ここでは、最初に知っておいて損はない「眼科専門医」の魅力について説明します。

専門医とは

それぞれの診療領域における適切な教育を受けて、十分な知識・経験を持ち患者から信頼される標準的な医療を提供できるとともに先端的な医療を理解し情報を提供できる医師と定義されます。(一般社団法人専門医機構 ホームページより)
眼科においては、眼科に関する様々な検査、治療、手術について十分な知識・経験を持ち、正しい眼科医療を提供できる医師ということでしょう。

メリットは何でしょうか

  • 専門医は社会に必要とされている。
  • 眼の健康に関する高い知識と技術を持っているというお墨付きが得られる。
  • 専門医を目指すことで自然に臨床能力が高まる。
  • キャリアアップの際に有利なことがある。

あなたは眼科研修の時に小さな穴の開いた板(ピンホール)を見たことがありますか。ご自分が患者として受診したことがない方は一度この眼鏡をかけて数時間過ごしてみてください。あるいは眼鏡やコンタクトをしている方はそれらなしで1日過ごしてみてください。中心しか見えず、ほんのわずかな視野で過ごす不便や常に視界がぼやけている等々、他にも眼の病気で困っている患者さんは沢山おられます。こういう方を助けるということにやりがいがあります。患者さんは標準的治療を求めて来院します。資格を有する専門医であることは患者さん自身が受診する施設を決める際のわかりやすい目安になりますし、眼の専門家に正確に丁寧に診てもらえるという安心感を得て患者さんも治療に協力してくれるのです。
命にかかわる病気はほとんどありませんが、視覚という眼の命に対して高い専門性を持ったプロフェッショナルである証です。
専門医を目指す、および、専門医を維持する過程で、自動的に日進月歩の医療の先端に触れます。知的好奇心が掻き立てられ、継続的に自分が向上する実感を得られます。こうして身につけた能力は、プロフェッショナルであるという自信につながります。
市中病院で要職に就く、アカデミックな機関での教職や研究者としてのキャリアアップに有利になることがあります。

デメリットもあります

  • 勤務制限がありうる
  • 時間と費用が掛かる

一定期間希望しない病院での勤務が必要なことがあります。中にはこれらをデメリットととらえる人もいるかもしれません。

専門医を目指すかどうかは自由選択です。「みんなが受けるから」、「一人前になる過程で当然通る道と思っていた」、「資格よりもその過程で自分が高まることが重要なんだ」、などと考える先輩もいるでしょう。それもよいと思います。もしよかったらあなたも一度よく考えてみてください。先輩からのメッセージものぞいてみてください。