SMILE

SMILEは『Small Incision Lenticule Extraction』の頭文字を取って作られた手術名で、「小さな傷口からレンチクルという角膜切片を取り出して(近視を矯正する)」と訳されます。 これはフェムトセカンドレーザーという近赤外線の精密なレーザーを使用して角膜内を光切断し、角膜実質を一体(レンチクル)として抜き取り屈折矯正を行う手術です(図)。


米国に続き2023年3月に本邦でもSMILEが認可されました。世界に目を向けると2008年にドイツで最初の手術が行われ、2023年現在、80か国以上の国でSMILEが行われるようになり、これまでに800万眼の手術がなされたといわれています。
SMILEの特徴は最小2 mmの傷口で手術が行われることで、約20 mmの切開を加えるLASIK(レーシック)に対し、その10%の傷口で済むということです。これは内視鏡手術が発展した現在の外科手術に共通のことと考えられ、このことによるメリットは大きいと思われます。まずは、角膜知覚神経の損傷が少ないためドライアイになりにくいこと、角膜の強度が維持されることにより近視への戻りが少なく、長期にわたり屈折が安定することです。そして何より外力に対して強く、ラグビーやボクシングなど接触スポーツをする方へも施行することが可能と思われます。
手術の適応や術後の合併症などは、LASIKのフラップを作ることによる合併症を除き、ほぼLASIKと同様です。
もし、術後に近視や乱視などが残ったり、経過とともに生じた場合は、再度SMILEにより再矯正することはできません。角膜表面からエキシマレーザーを照射して矯正する必要があります。

 

関連する病名 近視、遠視、乱視、老視