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2023年4月から日本眼科学会渉外担当常任理事に就任させていただきました。大鹿哲郎理事長三期目を、微力なのかもしれませんが、私のできる限りの力を持って支えたいと思っています。 新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し、学会も通常開催で行われることが増えてまいりました。学会で久しぶりにリアルにお会いする方も多く、やはり直接会ってコミュニケーションを取れることは素晴らしいことだと思います。少しずつ交流が戻ってくるのを肌で感じます。渉外理事の仕事の大きな部分は国内外の団体との交流・交渉だと思います。コロナ禍期間中は、海外はおろか国内移動もままならなかったわけで、アフターコロナで再出発する部分もあるでしょう。これまでの良い部分は維持しながら、皆様からの要望に沿って変えるべきところはきちんと変えられるようにできればと思います。 すでにいくつもリアル国際学会は開催されていますが、私自身は秋から久しぶりに参加します。振り返ると、私が最初に国際学会に参加したのは1994年に福岡で開催されたIOIS(International Ocular Inflammation Society)で、私は免疫学の大学院生でした。当時久留米大学教授でいらっしゃった望月 學先生が会長で、未だに私の記憶の中に鮮明に残っています。学術レベルも日本の眼炎症研究レベルの高さを証明したような会でしたし、海外の方に対するhospitalityも素晴らしかったです。私はそこで初めて将来留学することになるJ. Wayne Streilein先生とお会いしましたので、あの学会がなければ今の自分はないのかも知れません。今年のIOIS 2023はベルリンで開催されるのですが、ベルリンからのIOISニュースレターの中に理事のTalin Barisani先生が「1994年の福岡の会が思い出に残っている」と書かれていました。私と同じように、海外の方にも思い出に残っているのだと感じました。 現在は眼科専門分野ごとに国際学会があると思いますが、眼科の全分野を対象とするWOC(World Ophthalmology Congress)は、IOC(International Council of Ophthalmology)が母体となって2年に一度開催される大イベントです。歴史も長く、日本では1978年に京都で中島 章先生が、2014年には東京で大鹿哲郎先生が会長で開催されています。WOC 2014は、田野保雄先生や石橋達朗先生が中心となって誘致され、日本眼科学会総会やAPAO(Asia-Pacific Academy of Ophthalmology)を併催した大イベントでした。日本眼科学会と日本眼科医会が数年前から協力して準備を行いました。そして眼科医だけではなく、製薬企業や機器メーカーなど関連業種・団体が一丸となって大成功に導いた会だと思います。当時の準備委員会に、思い起こせば私も大鹿先生の戦略企画会議第一委員会メンバーとして参加させていただき、開催前には多くの国際学会に参加してWOC 2014をPRしました。WOC 2014の懇親会は凄くて、あんなにたくさんの方が集まった懇親会をおそらくもう見ることはないのではないかと思います。当時40代であった私にとって、前後は怒濤のように国際学会に参加した時期でしたが、多くの方々と知り合えて本当に楽しく充実した時間でした。次回WOCは来年2024年8月16~19日にカナダのバンクーバーで行われます。2020年(南アフリカ)と2022年(中国)はバーチャル開催でしたので、久しぶりにリアルで活気のあるWOCを堪能できると楽しみにしています。 これまで国際学会を通して貴重な経験をさせていただきました。日本眼科学会はこれからも変化する世界の中で、その重要な一員として大きな役割を果たすことでしょう。久しぶりに国際学会の手配をすると、交通費や宿泊費が高騰しておりまいってしまいました。いろいろな障壁はありますが、長らく参加できていなかった海外、次世代を担う若手にも声をかけてポストコロナの国際学会に再デビューしたいと思います。
公益財団法人 日本眼科学会 常務理事 園田 康平
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