お知らせ

2023/10/12
一般の皆さまへ

幼稚園、保育所、認定こども園の皆様へ
~弱視や斜視の子どもの眼鏡装用等に関するお願い~

 

日本眼科学会
日本眼科医会
日本小児眼科学会
日本弱視斜視学会
日本視能訓練士協会

子どもの目が発達する時期には限りがあります

 子どもの目の機能(視力など)は、生後から3歳までに急速に発達し、6歳~8歳頃までにほぼ完成します。ところがこの時期に視力の成長を妨げる要因があると視力の発達が停止し、その後いくら眼鏡をかけても十分な視力が得られません。これを「弱視」と言い、約50人に1人程度と言われています。

眼鏡装用は弱視や斜視の子どもにとって大事な治療です

 弱視には様々な原因はありますが、網膜へのピントがずれている「屈折異常」(特に強い遠視や乱視)が原因となっていることが多いです。視力が発達する時期に眼鏡を常用するなどの治療で多くの場合、就学時までに良い視力を獲得できます。また、斜視(両眼の視線があっていない状態)の治療に眼鏡装用が必要な場合があり、眼鏡をかけることにより目の位置が安定し、両眼で物を立体的にみる機能(両眼視機能)も育ちます。

治療用眼鏡を装用し続けるには周りの協力が必要です

 このように、園にお通いのお子さんの眼鏡は将来にわたって良い視機能を得る大切な治療用具です。眼鏡装用によって目の怪我や危険が多くなるという報告はありません。かえって目の怪我を防ぐことができる場合もあります。医師や保護者は子どもに眼鏡を一日中かけるよう指導をしています*。園にいる間に眼鏡をかけないと、その子どもは「眼鏡はかけなくてもよいもの」と思ってしまい、治療中断につながることもあり得ます。
 子どもが、治療用眼鏡をしっかりかけることにより将来にわたり良い視機能を維持できるよう、園の皆様にもご理解いただき、保護者を含め周りの方が協力できるようお願い申し上げます。
*屋内活動だけでなく、外あそびなどの時も眼鏡装用をお願いします。ただし、プールやマット運動などの場合は除きます。詳細については眼科主治医にご相談ください。
参考資料
※厚生労働省令和4年度子ども・子育て支援推進調査研究事業「3歳児健康診査における視覚検査の実施体制に関する実態調査研究」リーフレットより抜粋