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眼瞼腫瘍

原因・病態

眼瞼腫瘍は、瞼(まぶた)にできる腫瘍で、良性と悪性があります。腫瘍の多くは炎症と異なり、痛みがありません。
良性腫瘍としては、脂漏性角化症があります。これは見た目は黒~濃い茶色の隆起として現れ、ごつごつと硬い感じの腫瘍であり、年齢とともに発症率が上がります。また、乳頭腫は結膜から眼瞼にかけて多くでき、キノコ状の根っこを持つ腫瘍でウイルスにより発症します。さらに、黄色腫(おうしょくしゅ)は まぶたの内側にできる黄色い平らなしこりで、コレステロールの沈着が原因となります。
悪性腫瘍の代表は、基底細胞癌(図1)と脂腺癌(図2)があります。基底細胞癌は皮膚側に多く、潰瘍を伴うものや、初期のうちは、ほくろに似ているものもあります。肌が白い西洋人に多く、紫外線が大きな原因の一つです。脂腺癌は眼瞼の中にある脂腺のマイボーム腺から多く発生し、脂の色である、やや黄色っぽいものが多いです。上まぶたには下まぶたと較べてマイボーム腺が多くあるので、脂腺癌は上まぶたに発生しやすいです。
悪性の特徴は、まつげの脱落、血管が多い、大きくなる速度が速い、形が非対称、腫瘍と正常の境界が分かりにくいなどがあります。


図1.基底細胞癌


図2.脂腺癌

治療

眼瞼腫瘍の治療は切除が基本で、悪性腫瘍が疑われる場合は、腫瘍の一部を取って病理組織学的検査を行います。悪性腫瘍の場合には、周囲に一定の安全域をつけて切除し、その範囲は腫瘍の悪性度によって決まります。欠損部分を再建するには周囲の組織を移動させる皮弁という方法を行うことが多いです。手術が困難な場合や患者の希望により放射線治療が選択されることもあります。なお、高齢者において霰粒腫と思われた病変に脂腺癌が含まれていることもあります。抗菌薬およびステロイドの点眼や眼軟膏を用いても改善しない場合には、腫瘍の専門家への紹介を考えます。
眼瞼腫瘍の予防としては、身近な紫外線対策が重要であり、日焼け止めを塗る、帽子をかぶる、紫外線カットの眼鏡やサングラスをかけるなどが挙げられます。


監修:日本眼形成再建外科学会 (参考:http://www.jsoprs.jp