ガイドライン・答申

2024/10/08

近視性黄斑部新生血管の診療ガイドライン


厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する調査研究班
近視性黄斑部新生血管診療ガイドライン作成ワーキンググループ


要 約

 病的近視の黄斑部新生血管(MNV)は、病的近視患者の中心視力障害の主要な原因である。近視性MNVは、病的近視眼に生じるMNVと定義され、病的近視の定義は、病的近視のメタ解析(META-PM)分類に従う。光干渉断層計(OCT)を主体とする画像診断が有用であるが、単純型黄斑部出血との鑑別が難しい場合にはフルオレセイン蛍光眼底造影(FA)や光干渉断層血管撮影(OCTA)の施行を考慮する。OCT所見やFAからMNVに活動性があると判断された場合には治療が必要である。治療の第一選択は抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬療法であり、導入期の1回投与と必要時投与(PRN法)を原則とする。活動性の低下したMNVの周囲に生じる黄斑部萎縮は、長期的な視力低下の主因となる。