日本眼科学会が日本専門医機構による新専門医制度へ移行を開始して2年以上が経過しました。現在のところ、新しい方法で順調に単位を取得してくださっているようです。今回は、現時点で特に会員の皆様にお伝えしておきたい留意点があり、この誌面をお借りしお知らせいたします。
専門医の認定時期の変更について
日本専門医機構から、専門医認定日を現在の10月1日から4月1日に変更するよう要望がありました。これにより、現在、眼科を含むすべての科が専門医の認定日を4月1日に統一するように動いています。眼科では、2027年10月1日以降における専門医の認定期間は、原則として4月1日を開始とし、5年後の3月31日までとすることになりました。なお、2027年9月30日以前に認定開始の専門医は認定期間を5年から5年6か月に延長することで、次回の専門医資格の更新を4月1日開始として調整します。この場合、認定期間が5年6か月に延長した専門医が満たすべき更新基準は、認定期間が5年間の専門医と同一(つまり同じ50単位のまま)とすることになりました。
また、2027年以降の専門医の認定日が4月1日に変更することに伴い、2027年以降の専門医認定試験の日程も以下のように変更になります。
・第39回日本眼科学会専門医認定試験・第6回日本専門医機構眼科専門医認定試験
実施日:2027年11月5日(金)~6日(土)、専門医認定日:2028年4月1日
・第40回日本眼科学会専門医認定試験・第7回日本専門医機構眼科専門医認定試験
実施日:2028年11月の第一週あるいは第二週の金・土、専門医認定日:2029年4月1日
診療実績の証明のオンライン申請が始まります
日本専門医機構による新専門医制度で専門医資格を更新する際には、専門医としての診療実績や診療能力を証明するために「診療実績の証明」が必要です。眼科ではこの証明方法は、5年間に診療した症例の一定数(50症例)について、診療日、病名、治療法、転帰、診療施設名を入力して提出する方式に決定し、先日、日本専門医機構から正式に承認が得られました。原稿執筆時点(2025年1月)、日本眼科学会の「会員マイページ」からオンラインで50症例の入力やデータの読み込みができるように鋭意準備中で、システムのテストと修正を繰り返している最中です。これが正式に申請可能な状態になりましたら、会員の皆様に一斉に分かりやすくお知らせする予定です。
なお、この「診療実績の証明」を提出することで5単位が取得できます。入力する症例は初診でも再診でも構いませんが、同一人物の症例を2回以上入力することはできません。また、この症例は認定期間内であれば過去の症例を入力しても構いません。入力方法としては、会員マイページの画面で直接入力することもできますし、エクセルシートをダウンロードしてパソコン上で入力しアップロードすることもできます。また、エクセルシートをプリントして手書きで記入して、そのPDFファイルをアップロードすることもできるようになっています。
共通講習Bの単位が毎年の日本臨床眼科学会後のオンデマンド受講で取得できます
日本専門医機構の制度で研修を行い、2022年度以降に専門医になられた方、つまり日本専門医機構認定専門医は、専門医資格認定期間ごとに必修講習Aに加えて、必修講習Bの5単位を受講しなければいけません。必修講習Bの内容には、医療制度と法律、地域医療、医療福祉制度、医療経済(保険医療等)、両立支援などがあります。しかし、この必修講習Bの講義を受講できる機会は現在あまり多くはありません。そこで、毎年、日本臨床眼科学会の開催時期に併せて行う専門医制度講習会において、この必修講習Bをオンデマンドで受講できるようになります。ご希望の方は、今年10月開催の日本臨床眼科学会時で構いませんので是非受講してください。
ただし、多様な地域の勤務が認定された日本専門医機構認定専門医は、上記の必修講習Bの受講は必修ではありません(多様な地域とは、眼科では北海道、青森県、岩手県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県、静岡県、島根県、山口県、大分県、宮崎県です)。詳細は日本眼科学会ホームページのお知らせ欄をご覧ください。
また、日本眼科学会認定専門医の皆様には、この必修講習Bの受講は必修ではありません。しかし、受講いただければ、専門医資格更新時に必要な50単位の一部として単位を取得できます。
これからも、スムーズな新専門医制度への移行完成に向けてご理解とご協力をどうかよろしくお願いします。