2025/06/10

理事会からNew

 日本眼科学会の会員の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。さて、このたび、歴史と伝統ある日本眼科学会の常務理事を拝命し、庶務を担当させていただくことになりました、東北大学眼科学教室の中澤 徹でございます。大変光栄に存じますとともに、その重責に身が引き締まる思いでおります。 

 顧みますと、前年度までは編集担当理事として、日本眼科学会雑誌ならびにJapanese Journal of Ophthalmology(JJO)の編集に携わらせていただきました。その間、多くの会員の先生方から温かいご指導ご鞭撻を賜りましたこと、この場を借りて心より御礼申し上げます。特段、本年度の日本眼科学会総会にてJJO功労賞を受賞された、澤 充先生の、15年の長きにわたりJJO firstの姿勢で取り組まれるお姿、また引き継がれた山本哲也先生の常に公平で迅速なご判断をされるお姿を間近で拝見し、自身にとっても成長につながる2年間でした。論文査読や編集作業を通じて、我が国の眼科研究の質の高さと、それを支える先生方の並々ならぬご尽力に触れ、多くの学びを得ることができました。編集担当理事としての経験は、学会活動の国際的な情報発信力の重要性を再認識する機会ともなりました。

 さて、このたび拝命いたしました「庶務」は、理事長を直接サポートし、学会運営全般に関わる重要な役割であると認識しております。日本眼科学会が、会員の皆様にとってより有益で、活発な学術活動の場であり続けるためには、円滑かつ効率的であり開かれた学会運営が不可欠です。その役割に見合う仕事が叶うか不安がございますが、経験豊富な西田幸二理事長や常務理事の皆様のご指導をいただきながら、理事会運営の円滑化、各種規程の整備、会員サービスの向上、関連団体との連携強化など、多岐にわたる業務に真摯に取り組んでまいります。

 近年、日本眼科学会は国際化にも力を入れており、今年の日本眼科学会総会で主要なシンポジウムが英語で行われたことは、その象徴的な取り組みの一つと考えております。日本の眼科医療には、世界に誇るべき多くの強みがあります。北から南まで、全国どこでも質の高い均一な眼科治療が提供されていること、そして何よりも、会員の皆様方が日々研鑽を積まれ、患者さんのために真摯に診療に取り組まれている熱意は、我が国の眼科医療の根幹を成すものです。皆が少しずつ知恵を出し合い、共創し、成し遂げる意識を醸成できれば、必ず国際的なプレゼンスが高まっていくと考えております。

 さらに、アカデミアにおいては、iPS細胞を用いた再生医療の臨床応用、遺伝子治療、新しい作用機序を持つ緑内障やドライアイ治療薬が上市されているなど、世界に先駆けて画期的な治療法が開発され、臨床現場で応用され始めています。これは、基礎研究から臨床応用までをつなぐ、日本の眼科研究開発力の高さを示すものです。

 これらの日本の強みを最大限に活かし、さらに発展させていくためには、会員の皆様が持つ知識、経験、そして新しいアイデアを効果的に共有し、集約できる仕組みづくりが重要になると考えております。日本眼科学会がそのプラットフォームとしての役割を強化し、会員一人ひとりの知見を結集することで、日本の眼科は世界をリードする強力なコミュニティとして、さらなる高みを目指せると確信しております。庶務担当理事として、会員の皆様の声に真摯に耳を傾け、このような未来に向けた学会運営の基盤づくりにも貢献してまいりたいと考えております。

 大変微力ではございますが、西田理事長をしっかりと補佐し、他の理事、そして会員の皆様と力を合わせ、日本眼科学会のさらなる発展のために全力を尽くす所存です。会員の皆様におかれましては、今後とも、学会活動に対しまして、より一層のご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

 末筆ではございますが、会員の皆様のご健勝と、日本眼科学会の益々の発展を祈念いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。

公益財団法人日本眼科学会
常務理事 中澤  徹