2017年1月10日
TNF阻害薬の使用を検討されている眼科医の皆様へ
日本眼炎症学会TNF阻害薬使用検討委員会
日本眼科学会
非感染性ぶどう膜炎に対するTNF阻害薬の適正使用体制について
2007年にインフリキシマブ(レミケード®)がベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎に、また、2016年にアダリムマブ(ヒュミラ®)が非感染性の中間部、後部又は汎ぶどう膜炎の治療薬として承認されました。これらTNF阻害薬はぶどう膜炎抑制効果が期待できますが、使用にあたっては、感染性ぶどう膜炎との鑑別はもちろんのこと、適応の見極めが非常に重要となります。
さらに、使用中は重篤な感染症をはじめとした有害事象に対して十分な注意が求められます。
このため日本眼炎症学会としては、TNF阻害薬使用検討委員会を立ち上げ、TNF阻害薬の適正使用について検討を行うとともに、医師および医療施設の条件や使用上の注意をまとめた「非感染性ぶどう膜炎に対するTNF阻害薬使用指針および安全対策マニュアル(2016年版)」を作成しましたのでお知らせいたします。
なお、TNF阻害薬の使用にあたっては、当学会が監修し製薬企業(アッヴィ合同会社、エーザイ株式会社、田辺三菱製薬株式会社)が共同で運営するeラーニング*の受講が医師要件の一つとなっております。必ず「非感染性ぶどう膜炎に対するTNF阻害薬使用指針および安全対策マニュアル(2016年版)」をご一読いただいた上で受講していただき、修了後に施設要件を確認した上で施設情報を入力していただきますようお願いいたします。
<医師および医療施設の条件1)>
医師基準 |
以下の2項目を満たすもの
- 日本眼科学会眼科専門医かつ日本眼炎症学会会員
- 日本眼炎症学会が推薦するeラーニングを修了したもの
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施設基準 |
【導入施設】
- 重篤な副作用の発現などに対する定期的な検査や、投与時に急速に発症する可能性のある副作用に迅速に対応できること
- 呼吸器、感染症疾患について対応が十分可能であること
- TNF阻害薬の使用に精通した内科医との連携ができること
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【維持施設】
- 日常診療において、導入施設との連携が的確に行われていること
- 緊急時には導入施設と連携し、迅速な対応が可能であること
- 維持療法後も導入施設において定期的な経過観察を並行して実施可能であること
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1) 非感染性ぶどう膜炎に対するTNF阻害薬使用指針および安全対策マニュアル(2016年版)より抜粋
*受講に際しては、日本眼炎症学会ホームページのeラーニングサイトのリンクよりアクセス(日本眼炎症学会から通知されるIDとパスワードが必要です)ください。企業(アッヴィ合同会社、エーザイ株式会社、田辺三菱製薬株式会社)のホームページからもアクセスすることが可能です。
詳細は、各企業の医薬情報担当者にお問い合わせください。
以上
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