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角膜感染症

原因・病態

■はじめに

角膜は厚さ約0.5 mmの透明な組織で、俗に「黒目」と呼ばれています。その角膜に病原性を持った微生物が付着し繁殖した状態を角膜感染症と呼びます。通常、角膜の表面は角膜上皮という組織で覆われており、簡単には微生物が進入できないような構造になっています。しかし、何らかの原因で角膜上皮に傷ができてしまうと微生物が付着し繁殖しやすくなります。角膜感染症を起こす主な微生物として、細菌・真菌(病原性を有するカビ)・アカントアメーバ・ヘルペスウイルスなどがあります。

■細菌性角膜炎

細菌が原因で起こる角膜感染症です。最近ではコンタクトレンズを装用する人の間で増えています。強い目の痛みと大量の目やにを自覚します。角膜の一部が白く濁り、白目が強く充血します。治療は抗菌薬を頻回に点眼し、重症な場合は抗菌薬の内服や点滴も併用します。

■真菌性角膜炎

真菌とは病原性カビの一種であり、これによる角膜感染症を真菌性角膜炎と呼びます。もともと目に持病があり、抵抗力が落ちているような人では発症しやすいといわれています。また植物の枝で目を突いてしまったとか、土埃のついた異物が飛入したといった原因で起こることもあります。症状は、細菌性角膜炎と類似しています。治療は、カビに効果のある抗真菌薬の点眼や内服、場合によっては点滴を行いますが、治癒するまで長期間要することもあります。

■アカントアメーバ角膜炎

アカントアメーバと呼ばれる微生物が原因で起こる角膜感染症で、最近数年間増加しています。アカントアメーバは川や沼、土壌や公園の砂などに広く存在しています。洗面所など、水周りにもいることが多いようです。細菌性角膜炎と似た症状ですが、人によっては特に強い痛みを感じることもあります。アカントアメーバ角膜炎を発症した人のほとんどはソフトコンタクトレンズ使用者です。アカントアメーバの特効薬はありません。すこしでも効果のある抗真菌薬や消毒薬を点眼する、角膜の表面を削るなど、いろいろな治療法を併用しますが、きわめて治りにくいのが特徴です。

■ヘルペス性角膜炎

ヘルペスウイルスと呼ばれるウイルスが原因で起こる角膜感染症です。ヘルペスウイルスには単純ヘルペスと帯状ヘルペスとがありますが、どちらのウイルスも角膜炎を起こします。治療は、抗ウイルス薬の眼軟膏を使用し、重症例には内服や点滴を行うこともあります。

角膜感染症に似た病気として以下のようなものが挙げられます。
角膜びらん、ウィルス性結膜炎、アレルギー性結膜炎など。

症状

急に見にくい(急激な視力低下)

急激な視力低下とは、数分から数日以内に起こる視力低下のことです。
外からの光が眼の奥の網膜に届かなくなるような、眼の中の濁りや網膜の損傷があったり、網膜から視神経、脳へと神経信号が伝わる道筋で異常があったりすると視力低下が起こります。
症状は片眼だけに限らず両眼に同時に起こることもあり、その原因によって視野全体に及ぶこともあれば、視野の一部のみに見にくさを感じる場合もあります。また、視力低下だけでなく眼痛や頭痛、充血など他の症状を伴うことがあります。

急激な視力低下の原因として以下のようなものが挙げられます。
角膜の傷や感染、急性緑内障発作、眼の中の出血(硝子体出血)、網膜の血管閉塞、網膜剥離、視神経症、脳卒中や一過性脳虚血発作など。
急激な視力低下の原因は重篤なものが多く、速やかに眼科を受診して検査を受けることが重要です。

関連する病名 角膜感染症化学眼外傷、急性緑内障発作、硝子体出血、網膜剥離、網膜静脈閉塞症、網膜中心動脈閉塞症、視神経症

まぶしい(羞明)

普通の明るさでもまぶしく感じ、目を開けているのが辛いのが羞明です。原因もさまざまであり、現代の医学でもなぜまぶしく感じるのかも分かっていないことも多いです。大きく分類して、目の痛みを伴うか伴わないかで考えます。痛みのない場合、瞳が開いていてる(動眼神経麻痺など)と、角膜や水晶体に濁りがある、あるいは、黄斑変性・萎縮などが考えられます。痛みのある場合は、角膜にキズが付いている場合(原因はさまざま:異物混入やコンタクトレンズ、ドライアイ、角膜感染症など)、緑内障、ぶどう膜炎などが考えられ、急いで眼科受診をした方がいい場合が多いです。 “お月さんの笠“のように光源の周りに光の輪が見えること(虹視症)もあります。

関連する病名 動眼神経麻痺、白内障、緑内障ぶどう膜炎、黄斑変性、角膜上皮びらん、ドライアイ角膜感染症