病名から調べる

化学眼外傷

原因・病態

定義

化学眼外傷とは、なんらかの化学物質、たとえば洗剤・有機溶剤・パーマ液などが誤って眼に入ってしまった結果として発生します。化学物質によって、受傷後の経過は異なりますが、時に失明に至るようなケースもあります。

症状

化学眼外傷の受傷直後は、結膜や角膜といった眼球表面の組織に炎症が起こります。なかには角膜の表面が完全に剥がれたり、角膜全体がスリガラスのように濁ってしまうこともあります。特に、化学物質がアルカリ性だった場合、眼球表面の障害にとどまらず、化学物質が角膜を透過して眼の内部にまで障害を及ぼすこともあります。

軽症の場合は治療により後遺症を残さずに回復ことがほとんどです。しかし、重症の場合、眼球とまぶたが癒着したり、角膜が白く濁ってしまうなどの後遺症を残すことがあります。また、後になって緑内障や白内障などを引き起こすこともあります。

治療法

化学物質が眼に入ってしまった場合、医療機関を受診する前に、その場でなるべくはやく、眼を開けたまま水道水などの流水で10分以上洗眼する(目を洗う)ことが必要です(図)。一般に、化学物質が眼に接触している時間が長ければ長いほど眼の障害は重症となります。傷ついた眼を開けたまま洗うのは痛いので非常に難しいのですが、できるだけ化学物質を洗い流すことが重要です。洗眼が済んだら、ただちに眼科を受診してください。

その後の治療は、化学物質の種類・化学物質が眼に接触していた時間・目の障害の程度などによって異なります。軽度であれば通院による治療で後遺症もなく回復ことが可能です。重症であれば入院のうえ手術を要することもあります。