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中心性漿液性脈絡網膜症

原因・病態

■はじめに

 中心性漿液性脈絡網膜症は、光を感じる神経の膜である網膜の中で、最も視力に関係する部分(黄斑)に網膜剥離が発生する病気です。30~50代の働き盛りの男性に多くみられます。片方の目に発症することが多いのですが、時に、両方の目の発症することもあります。ほとんどは良好な経過をたどり自然に治ることが多い病気です。

図1.眼底の全体像(オレンジ色をした部分が網膜)
 

■中心性漿液性脈絡網膜症の原因

 原因は不明ですが、ストレスが悪い影響を与えるともいわれています。それ以外には妊娠時に起きることもあります。また、副腎皮質ステロイド薬の副作用で起きることもあります。副腎皮質ステロイド薬は飲み薬だけではなく、塗り薬、吸引薬、注射でも起きますので、主治医の先生に確認が必要です。
 黄斑付近の網膜に栄養分を供給する脈絡膜の血管から血液中の水分がにじみ出て、この水分が黄斑付近に溜まることで網膜剥離が起こります。

■中心性漿液性脈絡網膜症の症状

 視力低下は軽い場合がほとんどです。視野の中心が暗く見える中心暗点(図2)、ものが実際よりも小さく見える小視症、ものがゆがんで見える変視症(図3)が生じることがあります。普通は網膜剥離が治ると症状は軽快しますが、何らかの見にくさが残ることが多いようです。また、網膜剥離が長い期間続いたり、再発を繰り返したりするような場合には、視力も低下してしまうこともあります。

図2.中心暗点のイメージ


図3.変視症のイメージ

■中心性漿液性脈絡網膜症の検査

 20~50代の方に眼底検査で黄斑部に網膜剥離が見つかったら中心性漿液性脈絡網膜症を疑います。診断のためには血管からのしみ出しの部分を見つけるためにフルオレセインという造影剤を用いた蛍光眼底造影検査を行います。しかし、この病気は高齢の方にも起きることがありますが、高齢の方では加齢黄斑変性という病気と区別する必要があります。その際には、インドシアニングリーンという別の造影剤を使った検査も行う必要があります。

■中心性漿液性脈絡網膜症の治療

 この病気には自然に治ることもありますので、しばらく様子をみることもあります。しかし、いったん良くなっても再発することが多いので注意が必要です。しみ出しの部分が黄斑の中心(中心窩)から離れている場合は、レーザー治療が行われることもあります。レーザー治療には、回復までの期間を早めたり再発を予防したりする効果がありあます。しみ出し部分が中心窩にきわめて近い場合、レーザー治療はできないので内服薬による治療が一般に行われます。

症状

だんだんと見にくい(緩徐な視力低下)

緩徐な視力低下の場合、自覚症状としては眼のかすみを感じることが多く、また、歪みや視野狭窄などの症状から視力低下を自覚することもあります。
緩徐な視力低下の原因として最も頻度が高いのは、加齢に伴う白内障ですが、左右の眼で見え方が異なる場合や、ものを見たときの歪みや視野の欠けがある場合、充血や痛みなどがある場合は、他に視力低下の原因がある可能性が考えられます。早めに眼科での検査を受け、原因に応じた治療を受けることが必要です。

関連する病名 白内障、網膜剥離、加齢黄斑変性、 緑内障 ぶどう膜炎、中心性漿液性脈絡網膜症、糖尿病網膜症、黄斑浮腫

見えない点がある(暗点)

見ようとする中心や中央近くに見えない部分がある場合をさします。比較的小さな点の場合と、ある程度の範囲で見えない場合があります。周りは結構見えているのがポイントです。変視症を伴う人も多いです。

関連する病名 黄斑円孔、黄斑浮腫、黄斑前膜、高度近視、加齢黄斑変性、網膜細動脈瘤、中心性漿液性脈絡網膜症、視神経炎、視神経症