■霰粒腫とは
眼瞼(まぶた)の中にできた小さな固い腫瘤です。涙の成分を分泌する脂の腺(マイボーム腺)の出口がつまり、その中に粥状の分泌物がたまって肉芽腫を形成したものです。麦粒腫と異なり、細菌感染を伴わない無菌性の炎症です。
■霰粒腫の症状
症状は眼瞼の腫れや異物感です。典型例では痛みも赤みもなく、眼瞼にコロコロとしたできもの(腫瘤)を触れます。急には大きくなりませんので、しばらくの間は経過を見ていても構いませんが、自然に治ることはまずありません。炎症を伴った場合は麦粒腫と似た症状が出ることがあり、これを急性霰粒腫と呼びます。
■霰粒腫の治療
霰粒腫を包んでいる袋ごと摘出する手術が必要です。早期であれば霰粒腫の中に副腎皮質ステロイド薬を注射することで治ることもあります。急性霰粒腫に対しては、まず抗生物質などで消炎をはかります。高齢者では悪性腫瘍との鑑別が必要であることもあり、注意が必要です。
霰粒腫に似た病気として以下のようなものが挙げられます。
麦粒腫、涙嚢炎、涙小管炎、眼窩蜂窩織炎、悪性腫瘍など。