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意志とは無関係に眼球が痙攣したように動いたり揺れたりしていることがあります。この律動的に反復する眼球運動の状態を眼振と言います。 眼振には先天性と後天性のものがあります。ゆっくりした動き(緩徐相)と速い動き(急速相)とを反復する衝動性眼振と、緩徐相と急速相の区別のはっきりしない振子様眼振に分類されます。衝動性眼振は、急速相の向きから、水平性・垂直性・回旋性に分けられます。また注視した際に誘発される注視眼振や、頭の位置を変化させた時に生じる頭位眼振、体位を変えた時に生じる体位変換眼振など、刺激によって誘発される眼振(誘発眼振)もあります。 先天的な眼振では弱視や斜視を伴うことが多く、自覚症状もないことが多いです。一方後天的な眼振では動揺視を伴い、めまい、脳梗塞、脳脊髄奇形、小脳変性疾患、多発性硬化症といった脳や耳の病気から生じることが多く、眼科以外の診療科と連携をとりながら診療を行うことが多々あります。また抗痙攣薬を内服している方やアルコール中毒でも生じることがあります。 なお眼振は病的でないものもあり、例えば車や電車の窓から外の景色を見えている時に眼が小刻みに痙攣しているように動きます。これは視運動眼振というものであり正常な人に起きる生理的な現象です。
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